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新しい飯山仏壇、現代風に小型化 首都圏向けに開発

右から20万円、50万円、12万円の価格を想定するコンパクトな飯山仏壇右から20万円、50万円、12万円の価格を想定するコンパクトな飯山仏壇
 金箔(きんぱく)や蒔絵(まきえ)の技法を使い、経済産業省の伝統的工芸品に指定されている飯山市の「飯山仏壇」の製造販売業者らが、現代の狭い居住空間にも無理なく置けるコンパクトな仏壇を開発した。深刻な需要減に歯止めをかけるため、集合住宅が多い首都圏を新たな市場と想定。産地を挙げて初めて統一規格の製品を作った。来春をめどに本格発売し、ブランド化を進める。

 同市の仏壇店や工芸職人ら17事業者でつくる飯山仏壇事業協同組合が、県地域資源製品開発支援センター(松本市)の協力を得て3種類を開発。高さ17〜41センチで、いずれも小型の位牌(いはい)などを並べてテーブルや棚の上などちょっとしたスペースに置ける設計だ。4〜6日に都内で開いた関東ブロック伝統的工芸品展に出展するなど、首都圏での発信に乗り出した。

 想定価格50万円の製品は弓形の長押(なげし)や漆塗りといった飯山仏壇の伝統技法を生かし、コンパクトながら重厚。同20万円のやや小ぶりの箱型の製品は、扉を開くとピンク色の背景があり、上部のバラの木彫も印象的だ。高齢者施設に入居する際、位牌と共に持ち込むのにも適している。扇形の最小の製品は、天窓やあしらわれた羽のデザインが目を引く。想定価格は12万円。

 組合理事長で仏壇製造販売の上海(じょうかい)本店(飯山市)の上海一徳社長は「これまで仏壇店同士は競合関係もあり、統一デザインを設ける発想はなかった。協力しないと生き残れないところまで需要が減りつつある」と指摘。人口減や生活様式の変化で、高度成長期に年間約千件あった飯山仏壇の受注は現在300〜400件に低迷しているという。

 海外の量産品など安価でコンパクトな仏壇も流通しているが、上海社長は「伝統工芸を生かした付加価値の高い仏壇として違いを出したい」と説明。PR用に「iiyama made(イイヤマメード)」のロゴデザインも考案した。主要市場と位置付けていた県内から首都圏へ視野を広げ、需要を掘り起こす。

(11月16日)

長野県のニュース(11月16日)