長野県のニュース

前専務理事着服「1億5千万円」 大北森林組合事件で県民向け説明会

大北森林組合の補助金不正受給事件に関する県側の説明を厳しい表情で聞く県民ら=15日午後4時35分、県庁大北森林組合の補助金不正受給事件に関する県側の説明を厳しい表情で聞く県民ら=15日午後4時35分、県庁
 県は15日、大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件を巡る県民向けの説明会を、県庁で開いた。昨年1月の県の事件公表以来、県民対象の説明会は初めて。事件の全容解明のため県が設置した検証委員会委員も説明し、組合が不正を「主体的・能動的」に続けたとする報告書の内容に変更はない―とした。だが約30人の一般参加者からは「納得できない」との声や、前日の14日に開催を発表した県の姿勢に反発が相次いだ。

 池田秀幸林務部長は冒頭のあいさつで「県民に多大な心配をかけていることをおわびし、再発防止の取り組みを説明する」と陳謝。県北安曇地方事務所(大町市)林務課職員による組合への不正な補助金申請の依頼や、申請後の検査の不実施などを念頭に、県の事務処理に「大きな反省点」があったとし、林務課職員ら25人を処分したことを説明した。

 組合が不正受給した約14億5200万円の使い道は全容が分かっていない。池田部長らは、この中に架空申請の森林作業道整備の補助金が4億7千万円程度あり、うち約1億5千万円を組合前専務理事中村年計(としかず)被告(55)=補助金適正化法違反と詐欺の罪で公判中=が大町市の下請け業者を通じて着服した―との見解を新たに示した。

 検証委員からも県の管理態勢があまりにずさんだった―との説明があったが、検証委員長を務めた高橋聖明弁護士は昨年7月に報告書を発表して以降、「検証結果の前提を欠くような事実はない」とし、事実認定に変更がないと説明した。

 一方、説明会で県人事課コンプライアンス推進室は、長野地裁で9月に開かれた補助金不正受給事件の公判で、県北安曇地方事務所林務課主査(当時)が本庁の林務部係長(同)から、完了していない補助金の交付を認める不正な事務処理「期ずれ」を示唆されたと証言したことを受けた再調査結果を公表した。

 同室によると、再聴取に対してこの係長は「そんな発言はしていない」と否定。公判で証言した主査も再聴取に対し「(林務部係長の発言は)よく覚えていない。そういうふうに言われたという印象を持って裁判で証言した」と答えたという。

 説明会は記者会見などが行われる県庁会見場で開かれ、一般県民と報道関係者が席を並べた。一般からは県側の責任などに関する質問が相次ぎ、午後4時半に始まった説明会は約4時間半に及んだ。

(11月16日)

長野県のニュース(11月16日)