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頼りは灯油ランプだけ。薄暗くて文字が読みにくい。煙が目に染み健康被害も心配される。インドの子どもたちはそんな灯火の下で勉強している。経済成長に電力整備が追いつかず数億人が電気のない生活だ

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そうした無電化地域に「ソーラーランタン」が普及しつつある。太陽光発電の小さなパネルとLED照明などがセットの独立電源だ。日本企業が現地のNGOに寄付。さらには社会問題の解決に取り組むソーシャルビジネス事業者と協力して販売している

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最新型の価格は900ルピー(約1440円)ほど。企業のホームページには利用者の声が載っている。学校に通う3人の子どもが、家で勉強する時間を1時間長く取れるようになった―。草の根から広める自然エネルギーの普及だ。教育は貧困などの社会問題に立ち向かう力にもなる

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原発という巨象は蟻の努力を踏みつぶしながら進むのだろうか。日本とインドが原子力協定を結んだ。日本から原発の輸出が可能になる。核拡散防止条約に加盟しない核保有国である。エネルギー事情を変えるとしても、事故や軍事転用の懸念は拭えない

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「モッタイナイ」の精神を世界に広めようと呼び掛けたノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイさん(ケニア)の言葉を思い出す。「原発には政治家の自尊心を満たす魔力がある」。原発が民の未来を照らす明かりになるとは思えない。

(11月16日)

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