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闘病する人に写真で勇気を パーキンソン病 矢島さん個展

フィルムカメラで撮影したハクチョウの写真を眺める矢島さんフィルムカメラで撮影したハクチョウの写真を眺める矢島さん
 パーキンソン病と診断され、体が思うように動かなくなりながらもカメラを構え続けてきた上田市大屋の矢島啓徳(ひろのり)さん(75)が、40年ぶりの写真展を市内で開く。「病気になっても写真を撮り、個展を開くことができる。私と同じように病気で苦しむ人に少しでも勇気を与えられたらいい」と矢島さん。会場には、昭和40〜50年代に撮った昔懐かしい風景を中心に約60点を展示する。

 矢島さんは上田市の上田高校を卒業後、信州うえだ農協に就職。25歳の時、叔父で日本写真協会理事などを務めた同市出身の写真家柴崎高陽(こうよう)さん(1902〜90年)の影響で写真を始めた。誘われて行った湯の丸高原(東御市)で初めて撮ったツツジの写真がコンクールで入賞。写真にのめり込んだ。

 その後、柴崎さんが1938(昭和13)年に創立した上田写真クラブに入会。当時、クラブには100人以上が在籍した。仕事の傍ら、休日を活用して撮影。月に1度、会員が持ち寄った作品を採点して優秀作を決める例会に参加し、腕を磨いた。

 昨年、デジタルカメラを買うまで、フィルムカメラを愛用。動きのある祭りや生き物は決定的な場面がいつ来るか分からず、残りのコマ数を気にしながらカメラを構えた。池でカワセミを撮る時は、近くに張ったテントで何時間もチャンスを待ち続けることもあった。

 以前より疲れやすくなったと感じていた5年ほど前、医療機関でパーキンソン病と診断された。思うように動けず「自宅にこもろうか」と弱気になることもあったが、自身を奮い立たせ、カメラを手に撮影に出掛けた。体調面の不安や写真展の準備に追われ、今年2月に上田市内でのコハクチョウを撮影したのを最後にカメラから遠ざかってはいるが、「体の調子が良ければ撮りに行きたい」と、まだ意欲は持ち続けている。

 個展は40年前に開いて以来。家族や友人の支えで何とか開催にこぎ着けた。撮りためた中から半年かけて展示する作品を選んだ。矢島さんは「懐かしい信州の自然や風俗を感じる写真を見て、昔を思い出してもらえればうれしい」と話している。

 個展は上田市天神の市交流・文化施設「サントミューゼ」で、19〜24日(22日は休館)の午前9時〜午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。

(11月18日)

長野県のニュース(11月18日)