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茅野市出身の小説家・藤原ていさん死去 「流れる星は生きている」

 満州(現中国東北部)からの過酷な引き揚げ体験をつづった小説「流れる星は生きている」などで知られる茅野市出身の小説家・随筆家、藤原てい(ふじわら・てい)さんが15日午前10時ごろ、老衰のため東京都練馬区の病院で死去した。98歳。諏訪市出身の直木賞作家・故新田次郎の妻。葬儀・告別式は近親者のみで行った。喪主は長男の正広(まさひろ)氏。

 茅野市湖東の笹原地区で生まれ、諏訪高等女学校(現諏訪二葉高校)卒。1939(昭和14)年、中央気象台(現気象庁)職員だった新田(本名・藤原寛人)と結婚。夫の転勤で43年、満州に渡り、終戦後の45年、3人の子どもと共に引き揚げを経験。49年、この体験を基に書いた「流れる星は生きている」がベストセラーになった。

 これに触発された新田が「強力伝」を執筆し、56年に直木賞を受賞。文壇デビューのきっかけとなった。新田が死去した翌年の81年、財団法人新田次郎記念会を設立し、新田次郎文学賞を創設。その後、新田の遺稿や蔵書、取材ノートなどを諏訪市に寄贈した。

 長女でエッセイストの藤原咲子さんによると、ていさんは20年ほど前から認知症を患っていた。東京都武蔵野市の老人ホームで暮らしていたが、2年半ほど前に急性肺炎のため練馬区の病院に移り、寝たきりの生活を送っていた。

 著作はほかに「いのち流れるとき」「旅路」「三つの国境線」「灰色の丘」「赤い丘赤い河」などがある。次男はお茶の水女子大名誉教授で数学者の藤原正彦氏。

(11月19日)

長野県のニュース(11月19日)