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悲劇二度と 語り継ぐ決意 富士見 満州開拓団慰霊祭

旧満州で亡くなった乳幼児を悼んで建立された地蔵に祈りをささげる参列者旧満州で亡くなった乳幼児を悼んで建立された地蔵に祈りをささげる参列者
 戦前から戦中にかけ、諏訪郡富士見町から旧満州(中国東北部)に渡った富士見分村開拓団の引き揚げ者でつくる「拓友会」は20日、1946(昭和21)年10月の帰国から70年を迎えたのを機に、現地で亡くなった人を悼む慰霊祭を町内で開いた。当時を振り返り、悲劇が再び起こらないよう後世に語り継ぐ決意を新たにした。

 富士見分村は、政府の方針に沿い、旧富士見村が募った。日中戦争開戦後の39年、当時の樋口隆次村長が団長となり、浜江省(現黒竜江省)木蘭県王家屯に入植した。人口は約900人まで膨らんだが、敗戦翌年に全て放棄して引き揚げた。暴徒の襲撃などで犠牲者が出たが、約700人が生還したという。

 慰霊祭には、引き揚げ者ら約40人が参列。敗戦から引き揚げの間に起きた苦難をつづった御詠歌を全員で唱えた。亡くなった乳幼児を悼み、建立された地蔵や樋口団長の胸像に焼香した。

 拓友会の会長、窪田作栄(さくえい)さん(79)=東京都多摩市=は国民学校2年生の時に敗戦を迎えた。同会は80代が中心で「子どもたちに体験を語り継ぎたい」。樋口団長のひ孫の岡谷南高校(岡谷市)3年馬場美結夏さん(18)=諏訪市中洲=も参列。「祖先のたどった道を知ることができて良かった」と話した。

(11月21日)

長野県のニュース(11月21日)