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屈曲性10倍の樹脂成形 ニッキフロン 技術開発

ニッキフロンが新開発した方法で成形した機能性樹脂の製品(左)。従来製法(右、中央)では樹脂の広がりが不均一だったため、改良を続けていたニッキフロンが新開発した方法で成形した機能性樹脂の製品(左)。従来製法(右、中央)では樹脂の広がりが不均一だったため、改良を続けていた
 特殊樹脂開発・製造のニッキフロン(長野市)が、繰り返し曲げても折れにくい「屈曲性」を従来の10倍に高める機能性樹脂「PFA」の成形法を開発した。同社は半導体製造装置や化学プラント向けに耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂製品を供給してきたが、コスト削減を目的に顧客のメーカー側が素材を切り替えようとする動きに対応。一定の機能性と量産性を両立できる手法を確立した。まずは医療分野で2018年をめどに事業化を目指す。

 同社は、半導体製造装置の部品や自動車の燃料チューブ、化学プラントの配管など熱や薬品に対する耐久性が求められる部分の弁やパッキン素材として、フッ素樹脂の一種、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)の製品を供給。通常、樹脂製品は溶かした樹脂を金型に流し込んで固める射出成形機で量産するが、PTFEは加熱しても液状化しないため、素材を焼き固め、工作機械で切削する。加工に手間がかかるため、単価も高い。

 ニッキフロンの春日孝之社長によると、00年ごろからパソコンや携帯電話が急速に普及し、半導体製品と、それを製造する装置でコスト削減の流れが定着。PTFEも使用量を抑え、代替素材のPFAなどへの転換が進みつつあるという。

 フッ素樹脂の一種のPFAは、PTFEと比べて耐熱性や耐薬品性はやや劣るが、加熱による流動性が高く、射出成形機で製品を量産できるのが利点。PFAの射出成形は既に実用化されているため、同社は他社との違いを出そうと同じPFAでも流動しにくい素材を採用し、国のものづくり補助金を活用して特殊な成形技術を開発した。

 素材や金型の温度を緻密に制御して材料が均一に行き渡るようにし、屈曲性が既存の射出成形によるPFA製品と比べて10倍高い成形品を作ることに成功。さらにさまざまな製品形状を作り出せるよう技術開発を続ける。

 春日社長は「既存のPFA製品より屈曲性に優れた製品が射出成形機で量産できるようになれば、半導体や医療分野で使える範囲が広がる」と説明。従来のPTFEと組み合わせた供給体制を整えれば受注力の向上にもつながると見込む。

 ニッキフロンの16年3月期の売上高は約60億円。

(11月22日)

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