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福島県沖地震 今後も警戒を怠らずに

 東北地方の人たちはどれほど怖かったことだろう。きのう早朝に福島県沖を震源とする地震があり、福島など3県で震度5弱を観測した。甚大な津波被害が生じなかったのは何よりだ。

 地震の規模は、マグニチュード(M)7・4で、阪神大震災や熊本地震のM7・3を上回る。

 東日本大震災以降、最大となる140センチの津波を仙台市で観測した。東京電力福島第1、第2原発にそれぞれ100センチ、岩手県の久慈港には80センチの津波が到達している。地震の規模が大きく、震源が浅かったことなどから、大きな津波になったようだ。

 太平洋沖では大震災後、M7級の余震が続いており、今回の地震もその一つとみられる。発生から5年8カ月である。影響の大きさに驚かされる。

 午前6時前に発生し、その後も揺れが続いた。気象庁は今後1週間程度、最大震度5弱の地震と津波に注意が必要としている。引き続き警戒を怠れない。

 沿岸部の自治体では、震災後に導入した防災メールで住民に高台への避難を促すといった取り組みが見られた。新たに設置された津波避難タワーに身を寄せた人たちもいる。震災の教訓が広く生かされているなら心強い。

 気になるのは、福島第2原発3号機で、使用済み核燃料プールの冷却水を循環させる系統が自動停止したことだ。タンクの水面が揺れ、水位低下の警報で停止したとみられる。東電は「ご心配をお掛けし申し訳ない」と陳謝した。

 水は十分に冷却されており、放射性物質の漏えいなどはないとしている。今回、1時間半ほどの停止で水温が0・2度上昇したものの、運転管理上の制限値の温度に達するまでには約7日間の余裕があったという。

 第2原発1〜4号機のうち3号機だけ停止したのはなぜか、深刻な事態につながる可能性はないのか、不安を残さないよう丁寧な説明が要る。使用済み核燃料プールは各地の原発にある。徹底した究明、検証を求めたい。

 4月の熊本地震、10月の鳥取中部地震と、大きな揺れが続いている。不意打ちの怖さが地震にはある。同じようなことがいつ、どこで起きてもおかしくない。

 家具の転倒防止や非常持ち出し品の準備など、日頃の備えが大事になる。万が一のときの避難場所や安全なルート、家族同士の連絡方法も折に触れて確かめ合えるといい。それぞれに防災、減災対策を点検し直したい。

(11月23日)

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