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「支援ありがとう」手作り催し 白馬のホテル 県北部地震2年

「射的」で宿泊客をもてなすホテルの従業員(左)=22日午後4時半、白馬村北城「射的」で宿泊客をもてなすホテルの従業員(左)=22日午後4時半、白馬村北城
 県北部で最大震度6弱を記録した地震から丸2年となった22日、北安曇郡白馬村の白馬ハイランドホテルが、従業員手作りの催しで客をもてなす「感謝祭」を始めた。従業員たちにとって、この日は地震で被災し、その後、多くの励ましに支えられて迎えた特別な日。宿泊客も、人と人とのつながりの温かみを感じる一日になった。

 ゴム鉄砲を作って景品の駄菓子を狙う「射的」に、空き瓶に麻ひもを巻いてビーズで飾り付けるクラフト体験、韓国人従業員の韓国語講座…。「震災2年の節目に合わせてやっています」と従業員たちが呼び掛けると、チェックインした人々がロビーに集まり、遊び方を教わりながら和やかな一時を楽しんだ。

 2年前の地震で、ホテルは貯水施設などを損傷。水道も使えなくなった。翌朝、ほぼ満室だった宿泊客らを無事に送り出した従業員たちを待っていたのは、自分たちを気遣う電話やメールだったという。「涙が出るほどうれしかった」。支配人の富岡真一郎さん(42)が、従業員たちの思いを代弁する。

 白馬を訪ねて宿泊するのも支援―と何度もやって来る常連にも支えられた。埼玉県所沢市の石田延子さん(68)もその1人。従業員のフレンドリーさが好きで、今年の宿泊は既に5回を数える。

 震災1年後の昨年11月23日、支援への感謝を形にしたいと、従業員らは地震が起きた日に宿泊していた客らを招いて、自分たちの趣味や特技を生かした催しでもてなした。今年も従業員同士で出し物を考え、7月から準備。24日までの昼と夜、コンサートやクイズ大会も計画している。

 22日も夫婦でチェックインした石田さんは、出発前に所沢の自宅にいたとき、福島県沖の地震の揺れを感じたという。「特別なことはできないけれど、被災地に行くことが応援になるはず」。ホテルのロビーでは射的などを楽しみ、「こうした心遣いがうれしい」と笑顔を見せた。

 熊本、鳥取、そして福島と今年は大きな地震が相次ぐ。「いつどこで何が起きるか分からない」と富岡さん。だからこそ、11月22日を「感謝を忘れない日」として心に刻み続けたいと考えている。

(11月23日)

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