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11月の大雪 冬の備えを急ぎたい

 11月にこれほどの雪が降るとは、多くの人が思わなかったのではないか。

 長野県内ではきのう中南部を中心に大雪になった。

 11月に1センチ以上の積雪があったのは飯田で33年ぶり、諏訪で28年ぶりだ。当時の積雪はそれぞれ1センチ、2センチだったので、今回の10センチ以上の積雪が異例なことがよく分かる。

 記録的な暖冬だった昨年と打って変わり、この冬は平年並みの寒さが戻ってくるとの予報が出ている。雪への備えを急ぎたい。

 気圧が北極圏で高くなり、中緯度で低くなる「北極振動」と呼ばれる現象で、冷えた空気が南へ流入し、偏西風の蛇行が寒気をさらに南に押し出した。南岸低気圧の湿った空気とぶつかり、関東甲信に雪をもたらした。

 雪はきのう昼にはやんだ。ただ、長野地方気象台によると、今度は日本海の低気圧が東に進み、きょうも県北中部で雪になる可能性がある。警戒を怠れない。

 まだ普通タイヤの車が多かった。きのうは昼前までに全県でスリップなどによる物損事故が100件近く発生した。気象台はタイヤを冬用に早く履き替えるよう呼び掛けている。

 近年は短時間に大雪が降る「ゲリラ豪雪」が局所的に発生する。一昨年2月には軽井沢町の国道などで車の立ち往生による大規模な渋滞が起き、除雪の妨げにもなった。教訓を生かしたい。

 国土交通省は、立ち往生の原因をつくった車に罰金を科す方向で検討している。タイヤチェーンの装着を促す狙いだが、立ち往生はドライバーだけの責任ではない。小まめな路面状況の情報提供や注意の呼び掛け、早めの道路封鎖などの対策が欠かせない。

 今回の積雪をきっかけに近所の様子も気に掛けたい。湿った重い雪だ。1人で雪かきをしていた高齢者が事故に遭う例が後を絶たない。雪かきができない世帯もある。助け合いの輪から取り残されている家がないか確認が必要だ。

 きのうは県内各地で今季一番の冷え込みになった。寒さとともにノロウイルスによる胃腸炎やインフルエンザの流行が始まった。先週には長野市内の別々の保育園でそれぞれの集団発生があった。

 手洗いや体力維持は共通する予防策だ。ただ、インフルエンザウイルスにはアルコール消毒が効くが、ノロウイルスには効きにくく、塩素系の消毒剤が有効など対策に違いもある。正しい知識で感染を広げないようにしたい。

(11月25日)

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