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北斎館収蔵の作品、英国へ 来年、大英博物館で展示

大英博物館での展示を予定する「釈迦灸治」大英博物館での展示を予定する「釈迦灸治」
 長野県上高井郡小布施町の北斎館が収蔵する葛飾北斎(1760〜1849年)の浮世絵など計13点が来年、英国の大英博物館で展示される見通しとなったことが24日、分かった。北斎館の作品が大英博物館で展示されるのは初めて。北斎が天井絵を描くなど制作に協力した県宝「上町(かんまち)祭屋台」(北斎館収蔵)を展示する構想もある。

 北斎は江戸後期に活躍した浮世絵師で「富嶽三十六景」などを残した。晩年は小布施の豪農商・高井鴻山(こうざん)の招きで現地に滞在し、岩松院本堂の天井絵「八方睨み鳳凰(ほうおう)図」などを描いたことで知られる。

 作品は大英博物館と、あべのハルカス美術館(大阪市)が両館で開く共同の特別展に出品予定。美人画の様式を自身の中で確立した作品とされる「柳下傘持美人(りゅうかかさもちびじん)」、秀作「白拍子(しらびょうし)」、お灸を体にすえた釈迦(しゃか)を描いた「釈迦灸治(きゅうじ)」などを展示する。大英博物館は5月下旬〜8月上旬、あべのハルカス美術館は10月6日〜11月19日にほぼ同じ内容で開催する計画だ。

 上町祭屋台は、高井鴻山が私財を投じ、北斎の協力も得て建造した。高さ4・84メートル、幅2・40メートル、奥行き3・86メートルと大きく、輸送費がかかるため、北斎館は費用負担について関係者と協議する考えだ。

 あべのハルカス美術館の浅野秀剛(しゅうごう)館長(65)は「北斎は欧州で一番知られている日本人。北斎館は国内で北斎の絵画を多く収蔵している。屋台は展示品の中で最も映える一つだと思い、出品をお願いした」とする。北斎館を含む国内外の計約30の美術館や博物館、個人に北斎の作品の出品を働き掛けた。

 北斎館は屋台の輸送費として数千万円を見込む。橋本健一郎館長(73)は「町の文化を国内外に発信する大きなチャンス。町などとも相談しながら、屋台も大英博物館で展示できるよう知恵を絞っていきたい」としている。

(11月25日)

長野県のニュース(11月25日)