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介護再就職支援、周知に課題 国の制度、県内利用3人のみ

 介護人材確保のため、結婚や出産などで離職した介護職員に再就職のための準備金を貸し出す国の「再就職準備金貸付制度」で、受け付けが始まった8月以降、県内で貸与が決まったのは3人にとどまることが28日、分かった。県は2019年度までに1500人に貸与する計画で、本年度中は約450人への貸与を予定する。県は周知が行き届いていないとし、広報活動の強化を検討している。

 制度は、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の目標のうち、「介護離職ゼロ」の実現に向けた人材確保のため2015年度補正予算で創設された。20年初頭までに全国で約25万人の人材確保を目指す。県内では8月、県社会福祉事業団(長野市)を窓口に受け付けが始まった。

 介護職の実務経験が1年以上ある人を対象に、子どもの預け先を探す際の活動費や、講習会の参加費などとして20万円を上限に貸し付ける。県内で再就職して2年間、介護職員として働けば返済が全額免除される。県の事業費は、介護福祉士の修学資金貸与の事業を含め、19年度までの4年間で5億円。

 県内では、団塊の世代が75歳以上になる25年度に8391人の介護職員が不足する見込み。人材確保が急務だが、周知不足などから貸付金の利用が伸び悩んでいるとみられる。

 老人ホーム運営などの社会福祉法人依田窪福祉会(上田市)は制度の利用を呼び掛けるチラシを職員に配り、知人で離職した人に渡してもらっている。結婚などを機に30代前半で離職する女性職員は一定数おり、「制度があると(復帰に向けて)声を掛けやすい」とする。

 県社会福祉事業団は、制度をPRするチラシを公共職業安定所(ハローワーク)などに置いているが、「まだ呼び掛けを始めたばかりで、周知が足りていない」と説明。「準備金の使い道は融通が利く。ぜひ多くの人に知ってもらい、活用してほしい」としている。制度の利用の申し込みや問い合わせは同事業団(電話026・228・0337)へ。

(11月29日)

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