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鳥インフル 徹底対応で拡大を防げ

 新潟県関川村内の養鶏場の鶏と、青森市内の家禽(かきん)農場の食用アヒルから、鳥の大量死に

つながる高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。

 今年は韓国で感染が広がり、国内各地で野鳥の感染事例も報告されている。農林水産省は家禽への拡大を懸念し、警戒レベルも最高の「3」に引き上げていた。

 国内では2011年と、14〜15年に流行し、多くの鶏が殺処分された。感染拡大を防ぐには初期対応が重要だ。殺処分や畜舎の消毒を急がなくてはならない。

 ウイルスは渡り鳥が媒介しているとされる。養鶏場などには、野鳥のほか、ふんを踏んだ小動物、人の靴などを介してウイルスが入り込む。発生した農場から距離が離れていても、油断は禁物だ。

 全国の鶏舎などは、野鳥の侵入防止策を再点検し、出入りする人やトラックの消毒を徹底することが必要だ。住民は野鳥の死骸を見つけても触らず、保健所などに連絡することを心掛けたい。

 鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスによる鳥の病気で、高病原性に感染すると多くが死ぬとされる。

 肉や鶏卵を食べた人への感染は確認されていない。羽や粉末状になったふんを吸い込むなど、人の体内に大量のウイルスが入った場合は、ごくまれに感染する。海外では市場などで日常的に濃厚接触して感染した事例の報告もあった。ウイルスが突然変異して、人に感染する新型インフルエンザが発生する懸念も拭えない。

 まずは封じ込めが必要だ。殺処分の対象は、関川村の養鶏場が約31万羽の鶏、青森市では1万8360羽のアヒルだ。半径3キロ圏内では鳥や卵の移動が制限され、3〜10キロ圏内も区域外への持ち出しが禁じられたり、制限されたりした。可能な対策を確実に実施しなければならない。

 殺処分された家禽は、国が評価額の全額を補償する。それでも、風評被害が発生すれば生産者の経営に大きな影響を与える。生産者の心情を思うとやり切れない。

 国や両県は正しい情報を迅速に発信して風評を防ぎ、生産者の経営支援も手厚くしたい。

 養鶏業では飼料価格が高騰する一方で経営の大規模化が進んでいる。価格競争も激化して、中小業者の廃業が相次いでいる。大規模鶏舎にウイルスが侵入すると、大量の殺処分につながる。防ぐには分散飼育なども必要になるだろう。行政や生産者が対策を検討するべきだ。

(11月30日)

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