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朴槿恵大統領 退陣するしか道はない

 韓国の朴槿恵大統領が談話で2018年2月の任期前にも辞任する意向を表明した。

 親友の崔順実被告による国政介入疑惑について改めて謝罪する一方、自身の進退問題は国会に預ける考えを示した。

 国会では野党主導で弾劾訴追に向けた準備が進む。先んじて辞意を表明することで、大統領の権限が停止となる弾劾への流れを止めたい―。朴氏のそんな思惑が透ける内容である。

 一連の疑惑を巡っては、朴氏は国民のためでなく、崔被告のために政治を行っているような印象を与えている。国政の私物化が疑われる前代未聞の問題だ。

 直近の支持率は政権発足以来最低の4%になった。国民から見限られたといっていい。

 失われた信頼を回復するのは不可能に近い。事態を深刻化させないためにも、自ら退陣の道筋を付けるべきではないか。延命を考えている場合ではない。

 主な疑惑は、朴氏が崔被告に機密資料を提供するなど国政に不正介入させたり、企業に圧力をかけて崔被告が実質的に支配する財団への資金拠出を強要したりしていたというものだ。

 韓国の検察は崔被告のほか、朴氏の元側近らを逮捕、起訴した。朴氏が共謀関係にあったことも認定し、容疑者として捜査を始めている。政府から独立した「特別検察官」の捜査も本格始動することになっている。

 朴氏は談話で、「任期短縮を含む進退問題を国会の決定に委任する」と表明。その上で、与野党が決めた日程と手続きに従い「大統領職から退く」とした。

 朴氏が自身の進退に条件を付けたことを意味する。憲法に自発的退陣の規定がないため、任期途中の辞任を可能にする憲法改正が実現するなら従う考えを示したとも受け取れる。罷免を避けるための時間稼ぎとの見方が強い。

 国政介入疑惑の波紋は広がる一方だ。内政、外交ともにまひ状態に陥っている。とりわけ懸念されるのは、東アジア情勢が不安定化の度合いを強めることだ。

 朴氏は北朝鮮の核・ミサイル開発に米国や日本などと連携し、強い態度で臨んできた。

 混乱が長引けば北朝鮮がこれ見よがしに挑発を仕掛ける可能性がある。雪解けムードの日韓関係への影響も無視できない。

 朴氏は直面する現実を理解しているのだろうか。退陣以外に残された道があるのだろうか。混乱を長期化させてはならない。

(11月30日)

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