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大北森林組合事件公判 不正受給「県の助言きっかけ」

 大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件で補助金適正化法違反と詐欺の罪に問われた同組合前専務理事の中村年計(としかず)被告(55)=松本市=と同法違反の罪に問われた同組合の第10回公判は29日、長野地裁(伊東顕裁判長)で開いた。初めて行われた被告人質問で、中村被告は架空の森林作業道などの工事で補助金を不正に受給していたと認め、「県のアドバイスがきっかけだった」と述べた。

 被告弁護人が架空申請をして補助金を受給した動機について質問。中村被告は「(北安曇地方事務所の)林務課から『やらないと組合が衰退する』とよく言われていたという理由もある」と答えた。

 不正受給を始めた2007年度以前は森林作業道の整備は赤字だったと説明し、当時の北安曇地事所林務課長から「既に開いている道で申請し、足りない分を賄えばいい」などと助言されたと述べた。同課の当時の主任から既設の作業道を車で一緒に通った際に「こういう道を申請してくれればいい」と言われ、補助金対象外の町道で架空申請をした際にも「大丈夫と言われた」とした。

 一方、県側はこれまで、将来にわたり整備などが行われない「全くの架空申請」との認識は否定。9月に同地裁で開かれた証人尋問では、元課長は中村被告に直接助言した記憶はないとし、「崩れて使えなくなった道の採択も検討してみないかと(林務課の)係に話した覚えはある」と証言。元主任は被告と一緒に車で作業道を通ったが、既設作業道の申請を勧めていないとした。

 また、中村被告は、森林作業道の整備を請け負った大町市の業者と共謀して組合に工事費を水増し請求を始めたのは、自分の家族の借金返済がきっかけだったと供述した。だまし取った金は、海外旅行や自宅のリフォーム代などに使い、残っている資産はないとした。

 中村被告と大北森林組合に対する被告人質問は次回12月2日に同地裁で開かれる。

(11月30日)

長野県のニュース(11月30日)