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過労訴訟で逆転勝訴 松本の広告会社勤務40代女性

 松本市の広告制作会社に勤めていた40代女性が過重労働で精神疾患になったのに松本労働基準監督署が労災認定しないのは違法として、国に療養補償給付などの不支給決定を取り消すよう求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は30日、請求を棄却した一審長野地裁の判決を取り消し、補償支給を命じる逆転判決を言い渡した。

 訴状によると、女性は2008年10月に入社。2カ月ほどたって残業が増え、頭痛を自覚するなどして「適応障害」と診断、09年11月に解雇された。診断前の2カ月は残業が月約130時間に及び「質の点から言っても過重な負担がかかっていた」とした。

 一審判決は、残業時間については国基準を超えたとしつつ、業務は単純作業や補助業務が多く「労働時間通りの強度の心理的負荷が生じたとは言えない」とした。

 この日の高裁判決で永野厚郎裁判長は、一審と同様に残業時間の基準超過を認め、業務内容についても従来業務に比べ困難を伴う仕事を新たに担当し、上司のチェックによる手直しもあって残業時間が増えたとし、「無為に長時間の労働時間を要していたとは言えない」と判断した。

 原告側代理人の一由貴史弁護士は「一審判決で国の労災認定基準が労働者に不利な方向に狭められる可能性があったが、高裁判決は原告の労働時間を正当に評価した」。松本労基署を管轄する長野労働局労災補償課の今井修司課長は「関係機関と協議した上で今後の対応を決めたい」。女性が勤務していた広告制作会社は「申し上げることはありません」とした。

(12月1日)

長野県のニュース(12月1日)