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迫る脅威、県内緊張 上越でも鳥インフル

飼育舎前に消石灰を散布し、心配そうにフラミンゴを見つめる長良園長飼育舎前に消石灰を散布し、心配そうにフラミンゴを見つめる長良園長
 長野県に隣接する新潟県上越市の養鶏場でも30日、鳥インフルエンザウイルスが検出された。100キロ以上離れた同県関川村からの前触れのない飛び火に、養鶏業者らは困惑。県境にまで迫った見えない脅威に、長野県は県内1036軒の養鶏業者や農家への注意喚起を急ぎ、市民らに身近な動物園なども緊張を強いられている。

 長野市茶臼山動物園は、とり年の来年の年賀状用にオオコノハズクと記念撮影できる催しを鳥ではないモルモットに変更した。オシドリやジュズカケバトなどを間近で観察できる開放ケージも封鎖。1日以降は一部鳥類の展示をやめる可能性もあるという。市城山動物園も開放ケージを閉鎖し、野生の保護鳥類受け入れを中止。「近くで起きたので一層気を使わなければならない」と中田康隆園長(60)は緊張感を隠さない。

 飯田市立動物園もこの日、飼育舎の周辺などに消石灰をまいた。来園者向けのアルコール消毒液や消毒マットに加え、飼育員に手などの消毒やマスク着用を徹底。長良健次園長(68)は「まだ切迫した状況ではない」としつつ、県内の養鶏場などへの拡大が「非常に心配だ」とこぼす。

 コハクチョウの越冬地として知られる安曇野市。犀川白鳥湖では10月下旬から、保護活動に取り組む「アルプス白鳥の会」が靴底の消毒液を置き、近くの御宝田遊水池にも市が手や靴底の消毒液を用意している。例年通りの対応だが、事務局の会田仁(まさし)さん(67)は2カ所の野鳥に異変がないか見回りに余念がない。写真撮影で離れた水辺で餌やりをする人がいるといい、「鳥の行動範囲やふんが広がりかねない」と懸念する。

 養鶏業者にも改めて衝撃が走った。約21万羽を飼育する松本市の会田共同養鶏組合は30日夕に緊急会議を開いた。29日朝の緊急会議で通路に消毒用の石灰をまく回数を月2回から週1回に増やすと決めたばかりだったが、2日に1回とすることにした。上越市の養鶏場の近くには大きな池があり、飛来する渡り鳥が感染源となった可能性があるとし、この日朝、従業員全員を集めて、近隣の渡り鳥越冬地に近づかないよう呼び掛けた。

(12月1日)

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