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LGBT理解へまず一歩 県内企業 研修会など動き

長岡さんの講演を聞く中部電力長野支店の社員。県内事業所にもビデオ中継した=1日、長野市長岡さんの講演を聞く中部電力長野支店の社員。県内事業所にもビデオ中継した=1日、長野市
 社員が働きやすい職場づくりの一環で、性的少数者(LGBT)への理解を広げようとする試みが県内企業で出始めた。中部電力長野支店(長野市)は1日、心と体の性が異なる性同一性障害の当事者の長岡春奈さん(57)=松本市=が講師を務め、体験を基に対応事例を紹介する研修会を開いた。更衣室などの社内設備や採用指針を改めるといった具体的な動きはまだ鈍いが、多様な人材に働いてもらうための環境整備として企業側の関心が高まりつつある。

 中部電力(名古屋市)は昨年、社員の年齢、性別、障害の壁を取り払う「ダイバーシティ(多様性)の推進」を目的とした研修を初めて開き、全社の管理職約400人が受講した。1日は「人権講演会」として長野支店で開き、管理職ら社員約80人が参加。同支店人事課の小川淳一副長(36)は「電力自由化に伴い事業が多角化する中、さまざまな人材を必要としている。よりよい就労環境が整えば、企業評価にもつながる」とする。

 長岡さんは民間企業で長年働き、50代で男性から女性への性別適合手術を受けた。講演では、当事者に障害を打ち明けられた時の対応や手術後の受け入れ部署などを企業が話し合っておく必要性を指摘した。

 八十二銀行(長野市)もCSR(企業の社会的責任)の報告書で、多様な人材が働く環境整備に関する取り組みを公表している。同行の寿、村井支店は11月下旬、部支店単位で行う行員の教養講座として長岡さんに講演してもらった。西牧努・寿支店長(48)は「当事者が感じている障壁を知ることができた。行員の間で理解を広げることで思いやりの行動につながるのではないか」とする。

 県経営者協会(長野市)の教育担当者は「障害者雇用や女性の活躍推進などの課題が優先されている現状の中、LGBTに関する取り組みが県内でどこまで広がるかはまだ見通せていない」と指摘。その上で、「外資系や上場企業は取り組んできており、関心を持っている」としている。

(12月2日)

長野県のニュース(12月2日)