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女性議員 推進法案を速やかに

 今年に持ち越された課題の一つに政治分野での男女共同参画推進法案がある。女性の国会議員、地方議員を増やすための法律だ。

 超党派の議員連盟で何年も前から議論されてきたものの、与野党の足並みがなかなかそろわなかった。民進、共産など野党4党がしびれを切らして昨年5月、法案を衆院に提出した。

 自民、公明、日本維新の会の3党は似た法案を昨年12月に提出した。通常国会で一緒に審議される段取りになりそうだ。

 二つの法案を比べてみる。名前は「政治分野の男女共同参画推進法案」で全く同じ。「男女が共同して参画する民主政治の発展に寄与する」との目標も同じ。基本原則、国と地方の役割、政党の努力規定など、条文の構成、中身に基本的な違いはない。

 異なるのは次の一点だけだ。野党案が男女の候補者数を「できる限り同数」とするよう定めているのに対し、自公維の案は「できる限り均等」としている。

 二つの法案はいわゆる理念法である。禁止規定や罰則はない。成立しても国や自治体、政党に具体的な取り組みが義務付けられるわけではない。すべてはこれからの議論に掛かっている。

 それなのに「同数」と「均等」という文言の違いのために与野党協力ができない。国民には分かりにくい話だろう。

 自民党内には女性の政界進出を後押しすることそのものへの抵抗があるようだ。女性は内に、といった発想が根っこにあるとすれば時代錯誤も甚だしい。ここは野党に歩み寄り、法案を一本化して速やかに成立させるべきだ。

 前回衆院選の女性当選者は45人で全体の9・5%だった。1946(昭和21)年、戦後最初の衆院選の時は8・4%だった。70年が過ぎてもあまり変わらない。

 国際比較では世界193カ国のうち157位。欧州主要国の多くが30〜40%に達している。日本の国会は世界の中でも最も遅れている議会の一つである。

 欧州では1980年代、立候補者の一定比率を女性に割り当てるクオータ制によって状況が大きく改善された。クオータ制導入の流れに背を向けた結果が、今の日本の姿である。

 推進法は政治の世界を女性に開くための第一歩だ。成立させた後、公職選挙法や政党助成に関わる法律を見直して実効性ある仕組みを整えていかなければならない。理念法の段階で立ち止まっているわけにはいかない。

(1月11日)

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