長野県のニュース

愛された木曽馬の物語、絵本に 「第三春山号」が題材

木曽馬物語を執筆した渡辺さん(左)と挿絵を担当した前田さん=愛知県小牧市木曽馬物語を執筆した渡辺さん(左)と挿絵を担当した前田さん=愛知県小牧市
 愛知県小牧市の主婦渡辺和子(ペンネーム・浅茅依子)さん(75)が、木曽馬の歴史を残すために1975(昭和50)年に剥製になった「第三春山号」を題材にした絵本「木曽馬物語」を自費出版した。長野県木曽郡木曽町教委に寄贈され、町内の各小中学校などに配布されている。

 第三春山号は、旧開田村(現木曽町開田高原)の農家で飼われ、たくさんの子を残した。老衰が進む中、木曽馬保存会はきれいな姿を残そうと、名古屋大で安楽死、学術解剖した上で剥製にした。

 渡辺さんは数年前にテレビでこの話を知り、小説にしようと思った。木曽町で飼い主の家族や木曽馬の里・乗馬センターのスタッフから話を聞いたほか、剥製を展示するために設けられたという開田郷土館も訪れ、「半分は事実で、半分は創作」という短編小説を書き上げた。飼い主や孫2人と第三春山号との交流や、第三春山号を名古屋に送り出す時、大勢の住民や子どもが涙ながらに馬子唄(うた)を歌った様子などが描かれている。

 渡辺さんは「多くの子どもにも読んでもらいたい」と、絵本にすることも思い立ち、小牧市在住でボランティアでイラストなどを描いている主婦前田かち子さん(67)に挿絵を依頼した。

 前田さんは以前、開田高原で木曽馬に乗ったことがあるといい、「木曽馬が人間と一緒に働き、生きてきたことを知ってほしい」。渡辺さんは「送り出す時つらかったと思うが、命の大切さを感じてもらいたい」と話している。渡辺さんは次作のテーマとして、2014年9月の御嶽山噴火災害を考えているという。

 絵本「木曽馬物語」はB5判22ページ。1冊千円(税込み、送料別)。希望者は渡辺さん(電話0568・72・3547)へ。

(1月11日)

長野県のニュース(1月11日)