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「品質高めて生産拡大を」 飯田の伝統野菜「千代ネギ」

自宅近くの畑で千代ネギの苗の様子を確認する松島さん=11日自宅近くの畑で千代ネギの苗の様子を確認する松島さん=11日
 飯田市千代地区などで生産されている伝統野菜「千代ネギ」の生産拡大に向け、地元の生産農家約20軒でつくる「千代ネギの会」が、より品質の良いネギを母株として育てて種を取り出す系統選抜に取り組んでいる。この種で生産し、農家によってばらつきがあった品質を統一。生産量も増やし、少子高齢化が進む地域の振興に役立てる狙いだ。11日には同会会長の松島孝明さん(69)=飯田市千栄=が、自宅近くの畑に植えた種用ネギの状況を確認した。

 8日に降った雪が残る松島さんの畑には、布製の保温シートをかぶせ、千代ネギの苗約30株が植えられている。シートを外して土の温度を確かめた松島さんは「朝方には氷点下になることもあり、土が凍って駄目にならないか心配だった」とし、無事に育つネギにひと安心の様子だった。

 同会は2014年12月に発足。千代ネギは長さ30センチほどで甘みや香りが強く、天竜川左岸の林野が広がる千代・千栄地区で主に生産される。

 松島さんによると、生産量は年間約300〜400キロ。みなみ信州農協系列の直売所などで9〜12月ごろに販売しているが、人気で出荷が追い付かない状況だ。生産農家の高齢化で担い手が不足しており、同会は昨年12月、品質を高めながら新規就農者にも生産を呼び掛けて収量を増やそうと、系統選抜を始めた。

 県下伊那農業改良普及センター普及指導員の徳竹俊志さん(33)の協力も得て、大きさ、色合い、形状などを基準に品質が良く母株となるネギを選定。現在、千代と千栄地区の2カ所の畑で計約100株を育てている。この春に種を取り出し、9月と来年3月に会員農家の畑でまかれる予定だ。

 松島さんは「5年間をめどに同じ作業を繰り返しながら、生産農家全体である程度形をそろえたネギを作りたい」と話している。

(1月12日)

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