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北朝鮮の挑発 国際連携の立て直しを

 日本と米国の首脳が顔を合わせているさなか、北朝鮮が新型の中距離弾道ミサイルの発射に踏み切った。

 首脳会談後に発表した共同声明で、北朝鮮に核・弾道ミサイルの開発をやめるよう求めた翌日である。

 核・ミサイルに関し、譲歩する考えがないことを内外にアピールする狙いとみられる。

 北朝鮮は弾道ミサイルの発射を禁じた国連安全保障理事会の決議違反を繰り返している。国際社会の足並みがそろわないことが身勝手な行動を許してきた。このまま挑発行動をエスカレートさせるわけにはいかない。

 北朝鮮は昨年、弾道ミサイルを20発以上も発射し、国際社会の緊張を高めた。が、米大統領選の投票が間近に迫った昨年10月以降、発射をしていなかった。

 オバマ前政権は核放棄で具体的な取り組みを示さない限り関係改善は不可能だとし、北朝鮮との対話には否定的だった。

 一方、トランプ大統領は選挙戦で北朝鮮との対話に前向きとも受け取れる発言をした。北朝鮮はこれに注目したふしがある。新たな発射で刺激を与えることを避けてきたのではないか。

 トランプ政権は発足直後にマティス国防長官を日本と韓国に派遣し、北朝鮮の脅威に対し緊密に連携する方針を確認し合った。

 しかし、トランプ政権は発足したばかりで、対北朝鮮政策が固まっているとは言い難い。発射直後、日米両首脳は記者発表の場を持ったものの、トランプ氏は「日本を100パーセント支持する」と述べるにとどまった。

 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は先月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の準備が最終段階に入ったと述べた。ICBMは米本土を狙える。発射実験を強行すれば、トランプ政権との対立が一気に先鋭化することははっきりしている。

 米国の姿勢や方針が明確になる前に、中距離弾道ミサイルで新政権の出方を探ったとみることができるだろう。また、今月16日には故金正日総書記の生誕75年を控える。国威発揚や国内引き締めを図ったとも考えられる。

 国連安保理が緊急会合を開く。北朝鮮の非核化に関し、今は足掛かりすらない。対話と圧力のバランスを取りながら、核放棄の道筋をどう付けるか。

 北朝鮮への対応で日米韓の枠組みをけん制する中国やロシアも含め、国際連携の立て直しに本腰を入れる必要がある。

(2月14日)

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