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「上田映劇」6年ぶりに定期上映復活へ

開館100周年を迎えた「上田映劇」。映画「青天の霹靂(へきれき)」(2014年)のロケで架空の「あさくさ雷門ホール」として使われた撮影セットが残されている開館100周年を迎えた「上田映劇」。映画「青天の霹靂(へきれき)」(2014年)のロケで架空の「あさくさ雷門ホール」として使われた撮影セットが残されている
 今年、上田市中心街で開館100周年を迎える劇場「上田映劇」が5月下旬、2011年を最後に終了していた定期上映を6年ぶりに再開する。現在、多目的に使われている劇場を映画館として復活させるため、市民有志が3月中にも経営主体となるNPO法人の設立申請を予定。建物改修の資金集めや継続的な集客など課題は多いが、「街づくりの核」として映画文化を再生させたいと、関係者は意気込んでいる。

 県興行生活衛生同業組合によると、1958(昭和33)年に115館あった県内の映画館は現在15館。理事長の松下秀正さん(64)は「定期上映を終了した映画館が再び上映を始めるのは、全国的にも珍しい」と話す。

 上田映劇は1917(大正6)年、歌舞伎興行などを行う「上田劇場」として開館した。1スクリーン、270席で、天井などの構造は当時のままという。昭和30年代の最盛期は毎回立ち見が出る盛況だったというが、世の映画離れに加え、デジタル上映方式への対応が資金的に難しく、市内に大型の複合映画館(シネコン)ができたのに合わせて定期上映を終了した。

 その後、館主の駒崎勉さん(57)が一人で、アルバイトをしながら不定期の映画イベントや音楽、演劇などを企画してきたが、雨漏りもする建物の改修費に1千万円以上かかることが判明。これを知った映画ファンら10人ほどが「上田映劇再起動準備委員会」を立ち上げ、駒崎さんと昨秋から話し合いを重ねてきた。

 計画では、NPO法人設立後も建物は駒崎さんが所有し、作品選びや上映などの経営全般を常勤のNPOスタッフが担う。有志らは売り上げや寄付金などで建物の改修を速やかに進めたいとしている。

 有志の一人で市内の団体理事長、長岡秀貴さん(43)は「上田映劇は『映画の街』上田のシンボル。中心街を元気にするためにも、幅広い市民の協力を得ながら復活させたい」と話している。

(2月26日)

長野県のニュース(2月26日)