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伊那の「中尾歌舞伎」保存会、活動休止へ 会員や演者が不足

秋季公演の上演後、あいさつする中尾歌舞伎の出演者=2016年11月、伊那市長谷秋季公演の上演後、あいさつする中尾歌舞伎の出演者=2016年11月、伊那市長谷
 伊那市長谷の中尾地区に伝わる市無形民俗文化財「中尾歌舞伎」保存会が、当面、活動を休止することが1日、分かった。高齢化などで会員や演者が足りないため。4月下旬の春季公演は開催できない見通しという。山あいで演じられる歌舞伎にはファンも多く、市や市教委は何らかの支援を検討したいとしている。

 中尾歌舞伎は江戸時代中期、旅芸人が伝えたのが始まりとされる。第2次世界大戦で一時途絶えたが、1986(昭和61)年、地域の活性化を目的に地元の青年たちが復活させた。それ以降、春と秋に定期公演を開いてきた。

 中尾地区の人口は2月1日現在、41世帯98人。保存会によると、ピーク時に35人ほどいた会員は、中尾を離れる人もいて現在は20人ほど。特に演者が不足し、近年の公演では、会員以外の市や農協の職員、中尾出身者の子どもらに声を掛け、舞台に立ってもらうことも増えていたという。

 「地元の伝統芸能を残していきたい気持ちはあったが、現状のままずるずる続けていくのは良くないと判断した」と会長の西村寿(ひさし)さん(59)。その一方で、今後、新たな演者や会員の加入などが見込めれば、活動を再開したいとも話している。

 このほど伊那市長谷で開いた市長谷地域協議会で、市が活動休止を報告した。委員の住民からは「中尾歌舞伎はこの30年間で間違いなく長谷の顔になってきた」「一度休止すると復活には相当な労力が必要になる」などの声が相次ぎ、協議会として支援を検討する方向で一致。出席した林俊宏副市長も「活動継続のために必要な支援を関係者で話し合いたい」としている。

(3月2日)

長野県のニュース(3月2日)