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森友学園問題 政府自ら解明すべきだ

 大阪府豊中市の国有地払い下げは、疑惑が深まっている。

 不当な働き掛けがなかったか、事実関係を徹底解明しなくてはならない。政府、自民党は売却に関わった職員や、所属議員を調査すべきだ。

 大阪市の学校法人、森友学園が昨年6月、評価額9億5600万円の土地を1億3400万円で購入した問題である。地中のごみ撤去費用などとして8億円余りを差し引いた額だ。購入前には貸し付け契約を結んでいた。

 新たな事実が判明している。学園の理事長夫妻が陳情のため2014年4月に自民党参院議員の鴻池祥肇元防災担当相と面会し、現金入りの可能性がある紙包みを渡そうとしていた。鴻池氏は「無礼者と言って投げ返した」という。

 面会について鴻池氏は、国有地問題が狙いだったとの見方を示している。他の議員にも同様の働き掛けがあったのではないか。当然浮かぶ疑問である。

 共産党の小池晃書記局長は、鴻池氏の事務所の面談記録を入手したとして国会で追及している。記録によると、13年8月に理事長が国有地の借地とその後の購入の希望を伝えた。

 13年10月には「上からの政治力で早く結論を得られるようお願いしたい」、15年1月には「賃料年4%、約4千万円の提示あり。高すぎる。2〜2・3%を想定。何とか働き掛けをしてほしい」などの記述があるという。契約では賃料が2730万円だった。

 近畿財務局が複数回、鴻池氏側に経過を報告していたとの記録も明らかにした。真偽をはっきりさせなくてはならない。

 財務省は、交渉や面会の記録を省の規則に基づき廃棄したとしている。鴻池氏側への経過報告の記録について事実関係を「個別の職員に確認していない」とする。

 納得できない。記録が残っていないなら職員から経緯を詳しく聞き取り、公表するべきだ。

 安倍晋三首相は「会計検査院の審査に全面的に対応するのが、政府としてできる最大限だ」と調査に否定的な考えを示している。自民党議員についても、関与が判明すれば「本人に説明責任を果たさせる」と述べるにとどまる。

 ごみ撤去費用の見積もりは過去に経験のない大阪航空局が行っていた。小学校の開校が迫っていたためだと説明している。便宜を図るかの対応ではないか。国民の財産を巡り、不自然な点が次々と明らかになっている。検査院とは別に政府自ら解明する責任がある。

(3月3日)

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