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落語の「こんにゃく問答」は上州安中の古寺が舞台。住職になりすましたこんにゃく屋の六兵衛と、旅の僧が禅問答を交わす。珍妙なやりとりが滑稽だ。転じて、とんちんかんな問答を表現するようになった

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もどかしさが募っていた。大阪の森友学園への国有地売却を巡る国会論議だ。野党の追及には事実の決定打が乏しい。財務省は学園との交渉記録を既に廃棄している。質疑がかみ合わず核心が遠ざかる…と懸念していたら「こんにゃく証言」が飛び出した

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「おばはんが泣いて出しよった。こんにゃくでしたというなら、そうかなと思わざるを得ない」。自民党参院議員の鴻池祥肇氏が明らかにした。3年前、学園の理事長夫妻が来訪。夫人が紙包みを差し出した。鴻池氏は現金の束を意味する「こんにゃく」と直感し突き返したという

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厚みを指で「これくらいやろな」と示したが、口利きは強く否定している。共産党の小池晃書記局長は予算委で鴻池事務所の面談記録を示して追及。政府や自民党内の調査を要求した。核心は政治家の関与の有無だ。だが安倍晋三首相に応じる姿勢がない

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ないものを証明する「悪魔の証明」を求められてもできない―。首相の理屈だろうが、なぜ「ない」という前提に立てるのか。ここは虚心坦懐、政府も事実の調査を尽くすべきだ。国会答弁がこんにゃく問答になれば、滑稽さを通り越す。

(3月3日)

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