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自民党大会 首相1強を続けるのか

 東京で開かれた自民党大会は、安倍晋三首相「1強」の状況を改めて浮かび上がらせる場になった。

 官邸主導の政治が強まる中、党の活力が低下してはいないか。多様な意見をすくい上げ、議論を尽くす組織になっているか。自民は厳しく自問すべきである。

 党総裁任期の延長を正式に決めた。連続「2期6年まで」としてきた党則を「3期9年まで」に改める。首相の在任期間に関わる問題にもかかわらず、議論らしい議論がないまま、昨年11月に党総務会で了承されていた。

 改正により、安倍首相は来年秋の総裁選に立候補できるようになる。3選を果たせば、任期は2021年9月までである。歴代最長政権が視野に入る。

 首相は演説で「国政選挙に4連勝する中でも緊張感を片時たりとも忘れず、謙虚に力強く挑戦し続けていく」と今後への意欲を示した。国内総生産(GDP)600兆円、希望出生率1・8、介護離職ゼロという「大きな目標を達成する」と述べている。

 17年の運動方針では、首相の悲願である改憲をさらに強く打ち出した。「改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」としたほか、参院選挙区の合区の解消でも改憲を視野に入れて具体的方策を早急にまとめるとした。

 首相も、改憲の発議に向けて具体的な議論をリードしていくことが「自民党の歴史的使命だ」と強調している。

 「改憲ありき」で、広く同意が得られる項目を絞り込もうというのが安倍政権のやり方だ。改憲が必要なのか、肝心な点の説明が欠けている。衆参の憲法審査会は各党の考え方の隔たりが大きく、議論の土俵が整っていない。数の力で進めてはならない。

 与党とはいえ、政府をチェックする国会の一員として、ただすべき点はただす必要がある。

 「共謀罪」法案を巡り金田勝年法相は質疑を回避する文書を発表し、資質を問われた。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題では稲田朋美防衛相への報告が大幅に遅れ、文民統制に疑問符が付いている。与党も追及してしかるべき問題ではないか。

 大阪の国有地払い下げを巡る疑惑では、野党が要求する関係者の国会招致に応じていない。

 このところ与党による採決の強行が繰り返されている。官邸の意向に従って強引な国会運営を続けるなら、立法府は空洞化し、政治不信が膨らむばかりだ。

(3月6日)

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