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北朝鮮ミサイル 危険な挑発やめさせねば

 北朝鮮がまた日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。国連安全保障理事会決議に反する行為である。日本や米国、韓国が強く非難したのは当然だ。

 4発が発射された。防衛省によると約千キロ飛行し、落下した。3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内、残る1発はEEZの付近だった。船舶や航空機への被害は確認されていないものの、危険であり、許されない。

 米韓が韓国周辺海域で行っている定例の合同機動訓練「フォールイーグル」への反発だろう。過去最大級の訓練に対し、北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部が「超強硬対応措置によって立ち向かう」との報道官談話を出していた。

 マレーシアでの金正男氏殺害事件から国際社会の目をそらすことも狙いの一つかもしれない。北朝鮮の組織的な犯行が疑われる。猛毒の神経剤VXが使われたとの見方をマレーシア警察が示し、非難が高まっている。

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は1月の「新年の辞」で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験の準備が「最終段階」と表明していた。

 韓国軍は、ミサイルの到達高度などからICBMの可能性は低いとみている。米政府当局者も否定的な見解を示した。短距離の「スカッド」改良型や中距離のノドンなどが考えられる。慎重、冷静な見極めが欠かせない。

 ミサイル発射を繰り返す北朝鮮が技術を向上させているのは間違いない。改めて各国が結束し、挑発行動の自制と安保理決議の順守を迫らなくてはならない。

 発射を受け、日本政府は北朝鮮に厳しく抗議した。国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会合を開き、警戒態勢を強化する方針を確認している。岸田文雄外相は米国務長官、韓国の外相とそれぞれ電話会談し、北朝鮮対応での連携強化を申し合わせた。

 米国務省の報道官代行は、強く非難するコメントを発表し、全ての国に北朝鮮への影響力を行使するよう要求している。北朝鮮がトランプ政権との交渉を狙っているのなら、見込み違いだろう。挑発を重ねても孤立を深めるだけだと分からせる必要がある。

 中国との連携が重ねて大事になる。岸田氏は北朝鮮制裁決議の完全履行へ協力を求める考えを表明している。中国外務省の副報道局長も「安保理決議に違反して弾道ミサイルを発射することに反対する」と、北朝鮮を批判した。働き掛けを強めるときだ。

(3月7日)

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