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低空で飛行、木に接触か 県防災ヘリ事故

墜落した県消防防災ヘリが接触し、上部が切断されたとみられるカラマツ林の木々=7日、松本市入山辺(本社チャーターヘリから)墜落した県消防防災ヘリが接触し、上部が切断されたとみられるカラマツ林の木々=7日、松本市入山辺(本社チャーターヘリから)
 松本市入山辺の山中に県消防防災ヘリコプター「アルプス」が墜落し、搭乗していた9人全員が死亡した事故で、ヘリが墜落直前に山肌近くを低空で飛行し、樹木に接触して墜落した可能性があることが8日、関係者への取材で分かった。搭乗員の1人が機内から撮影していた映像では、事故直前まで高度が急激に落ちたり、大きく揺れたりする異常は見られず、窓ガラス越しに樹木が見えた直後に墜落した様子が記録されていた。松本署の捜査本部は映像の解析を進め、事故原因の究明を急ぐ。

 関係者によると、映像は十数分間。事故直前まで急降下したり、機体が大きく揺れたりする異常は見られず、隊員も通常と変わらない様子で搭乗していた。窓の外の景色などから、ホバリング(空中にとどまること)をした形跡はなく、事故直前までヘリは進行を続けていたとみられる。墜落は、窓の外に樹木が見えた直後に起きていた。

 墜落現場の谷筋から北西に100メートルほど上部に当たる尾根筋では、十数本のカラマツの上部が切断され、機体の破片が散らばるなど、機体が接触したとみられる痕跡があることが信濃毎日新聞の取材で判明している。捜査本部は、ヘリが山肌近くを飛行中、何らかの原因でカラマツ林に接触し、墜落した可能性があるとみている。

 尾根筋のカラマツ林の状況について、事故解析などの複数の専門家が8日、本紙が撮影した写真を基に分析し、いずれも「動力回転するメインローター(主回転翼)との接触による可能性が高い」との見解を示した。このうち産業機械などの破損解析が専門の野口徹北海道大学名誉教授は「樹木が切断された高さが一定で、動力回転するローターでたたき折られた」と推測している。

 8日は、国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官3人が県営松本空港(松本市)にある県消防防災航空センターや同省東京航空局松本空港出張所で関係者の聴取を行い、関係資料を確認した。今後、資料の分析を進める。松本署の捜査本部は9日も約130人態勢で現場検証などの捜査をする。

(3月9日)

長野県のニュース(3月9日)