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未明 悲しみの整列 県防災ヘリ墜落 派遣元で消防職員別れ

大工原さんの遺体を乗せた車を見送る消防職員=9日午前2時51分、佐久市の佐久広域連合消防本部大工原さんの遺体を乗せた車を見送る消防職員=9日午前2時51分、佐久市の佐久広域連合消防本部
 県消防防災ヘリコプター「アルプス」が墜落した事故で犠牲になった消防隊員2人の遺体を乗せた車が9日、派遣元の消防局・消防本部を回り、出迎えた大勢の消防職員が早すぎる死を悼んだ。

 佐久広域連合消防本部(佐久市)から派遣されていた大工原正治さん(42)=南佐久郡佐久穂町=の遺体は9日未明、遺族が待つ佐久穂町の実家に到着。遺体を乗せて松本署を出た車は途中、9日午前2時45分ごろ、4月に復帰する予定だった同消防本部に寄り、管内の消防職員154人が出迎えた。

 同消防本部の小平学消防長(58)は車に向かって「職員一同心配していた。今ここに迎えられてうれしいと同時に切ない気持ちでいっぱい。まことにご苦労だった。ありがとう」と呼び掛けた。大工原さんの父親(67)は「大勢の皆さんに迎えられ、親しく大事にされていたと分かった。できればもう少し長く皆さんと共に仕事をしたかっただろうと思う。残念」とあいさつ。職員たちは車を敬礼で見送った。

 松本広域消防局の高嶋典俊さん(37)=松本市村井町南=の遺体を乗せた車は9日午前9時10分ごろ、遺族とともに、松本市の消防局本部と隣接する渚消防署を訪れた。消防局の職員約250人が車を出迎え、号令に合わせて敬礼した。

 父俊郎さん(67)は車を降り「典俊がお世話になりました」と職員らに感謝。妻碧(みどり)さん(35)は高嶋さんの遺影を抱き、「これからも多くの人の命を救ってください」と声を掛けた。車を見送った職員は目頭を押さえ、悲しみをこらえていた。

 これに先立ち、高嶋さんの遺体を乗せた車は、県消防防災航空センター(松本市)に立ち寄り、職員ら40人ほどが出迎えた。滝沢重人所長(56)は「志が高く、優秀な隊員が亡くなってしまい残念。彼らの遺志を継ぎ、消防防災や山岳遭難救助の態勢を維持していきたい」と話した。

 長野市役所などでは9日午前11時、市消防局から派遣した伊熊直人さん(35)=松本市神林=と滝沢忠宏さん(47)=同市島内=を悼み、伊熊さんの遺体が葬儀場を出て火葬場に向かう時間に合わせ、1分間、職員や来庁者らが黙とうをささげた。

(3月9日)

長野県のニュース(3月9日)