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県防災ヘリ事故 墜落直前、揚力不足か

 松本市入山辺の山中に県消防防災ヘリコプター「アルプス」が墜落し、搭乗していた9人全員が死亡した事故で、ヘリは墜落直前、十分な揚力を得られずに樹木に接触した可能性があることが9日、捜査関係者への取材で分かった。事故当日、ヘリは通常の救助出動時の倍近い人数が訓練のため乗り込み、規定の上限に当たる約820リットル(約1時間半分)の燃料を積んで離陸していた。松本署の捜査本部は、機体の重量や当時の気象条件を含め捜査している。

 同本部は現場検証を同日で終え、10日から業務上過失致死容疑で関係者の事情聴取を本格化させる方針。

 アルプスの定員は15人。ただ、標高が高い場所は空気が薄いため揚力が得にくく、県内の複数の消防関係者は、10人を超える人員が乗り込むことはなかったとしている。救助出動の際は、パイロットを含め5人程度が一般的。今回の飛行は訓練が目的で要救助者役の隊員が含まれたため、人数が多くなった。

 航空関係者によると、通常パイロットは、標高や気象条件、搭乗人員を勘案し、燃料や機材の重さを調整するという。

 搭乗員の1人が機内から撮影した映像の分析では、ヘリは事故直前、山肌近くを低空で飛行して樹木に接触、墜落した可能性が出ている。

 航空法などによると、ヘリが山間部を飛行する場合、地表から150メートルの最低安全高度を確保することが必要。救助訓練の場合、国交相の許可があれば同高度以下で飛行できるが、訓練場所への移動など低空で飛ぶ必然性がない場合は同高度の順守が求められる。今回の事故は、予定した訓練を行う前に起きたとみられている。

(3月10日)

長野県のニュース(3月10日)