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県北部地震あす6年 栄小教頭が児童に被災体験伝える

震災当時の避難所の様子などを画像で振り返る栄小の子どもたち震災当時の避難所の様子などを画像で振り返る栄小の子どもたち
 2011年3月12日、下水内郡栄村に大きな被害をもたらした県北部地震で、自らも避難生活を送った栄小学校教頭の斎藤充子さん(60)が10日、全校集会で児童約50人に被災体験を語った。避難所に多くの支援物資が届き、日常の尊さや助け合いの大切さが身に染みたという斎藤さん。3月末の定年退職を前に、「感謝の気持ちを忘れず、笑顔でいてね」と、子どもたちに優しく呼び掛けた。

 斎藤さんは栄村月岡出身で20歳で小学校教員になった。飯山市内などの小学校を中心に教壇に立ち、地震があった11年には旧北信小学校(現栄小学校)に勤務していた。

 「私は午前3時59分を忘れません」。斎藤さんは目に涙を浮かべて、地震発生時の光景を語り始めた。

 自宅は一部損壊。2階にいた高齢の母親を引き戸のすき間から助け出した。近所の一人暮らしのお年寄りを救出した長男も含め、北信小学校へ家族4人で避難した。直後は250人余が肩を寄せ合って過ごした避難所の様子をスライドで説明。着の身着のままで、裸足で過ごしていた斎藤さんに別の避難者が靴下を差し出してくれた思い出も紹介し、「すぐにはいて、涙が出た」と話した。

 「自分もできることをしたい」と、周りの避難者に声を掛け、夜にトイレへ行くお年寄りが転ばないよう一緒に付き添いもした。「たくさんの人の支えで生きていることや、困難は乗り越えられることを学んだ」と、10日間ほどの避難生活を振り返った。

 栄小は北信小と東部小が統合して、11年4月に開校。11年4月に栄小に入学した1年生が今の6年生だ。震災の記憶がおぼろげな小さな子どもたちも少なくない。

 最後に斎藤さんは「ピカピカの一年生は希望の光。大きく立派に育ったね。栄小のあなたたちは宝物」とひと言。子どもたちは、復興への願いを込めて作詞作曲した「みんなの栄村」を歌った。心つながるやさしい村をみんなで守り合う―。斎藤さんも涙を浮かべて声を合わせた。

 「感謝の気持ちや地震のことを忘れずにいたい」。集会の余韻の中で、児童会長で6年の岡希星(きらら)さん(12)=栄村白鳥=は話した。

(3月11日)

長野県のニュース(3月11日)