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此田神楽、新たな担い手 飯田市南信濃・和田小6年生が披露

遠山荘のお年寄りたちを前に此田神楽を披露する子どもたち=10日、飯田市南信濃遠山荘のお年寄りたちを前に此田神楽を披露する子どもたち=10日、飯田市南信濃
 飯田市南信濃の和田小学校6年生11人が9、10日、300年以上前から南信濃八重河内の此田(このた)地区に伝わる「此田神楽」を地元の高齢者施設や温泉施設で披露した。此田神楽は1967(昭和42)年ごろに後継者不足で一時期途絶えたが、約30年前に保存会ができて復活させた経過がある。保存会員は昨年9月から子どもたちの指導にも当たっており、新たな担い手が育つことを期待している。

 6年生は10日、特別養護老人ホーム遠山荘を訪れ、獅子が悪魔を家の奥へと追い詰めて外へ追い出す舞「悪魔祓(ばら)い」を利用者約50人の前で見せた。掛け声や太鼓、笛の音色に合わせて獅子頭をかぶった舞手が優雅に舞った。披露後、子どもたちはお年寄りのおはらいもした。お年寄りたちは「こりゃあいい」「縁起物だねえ」などと喜んでいた。

 此田神楽は新築や結婚、出産などのお祝いで披露される神楽獅子で、舞手と笛、楽屋(太鼓)で構成する。一時、後継者がいなくなって神楽が見られなくなっていたが、此田地区の沢口優(まさる)さん(68)らが危機感を持って保存会を結成。神楽のことを全て覚えている同地区の山崎鶴好(つるよし)さん(2002年に95歳で死去)に舞や笛、太鼓を再現してもらい、ビデオに記録して何度も見返して覚えたという。

 和田小の6年生は、総合的な学習の時間に地元の祭りを調べている中で此田神楽を知り、挑戦することになった。沢口さんは、子どもたちが此田神楽に取り組むと聞いた時、「涙が出るほどうれしかった」と話す。

 10日の舞を終えて、舞手を務めた木下翔(かける)君(12)は「健康になってほしいと願って舞った」。祖父が保存会のメンバーの1人という山崎美心(みこ)さん(11)は「最初は笛の音が出なくて難しかった。今度はおじいちゃんと一緒にやってみたい」と話していた。

 保存会は毎年1月2日、飯田市南信濃の100〜150軒を回って此田神楽を披露している。沢口さんは「来年の正月からは子どもたちにも参加してもらえたらうれしい」と願っている。

(3月11日)

長野県のニュース(3月11日)