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朴大統領罷免 混乱に終止符を早く

 政治、社会の安定を取り戻すことができるか。朴槿恵大統領が罷免された韓国の混迷はなお深い。一刻も早く混乱が収拾するよう期待する。

 国会で弾劾訴追された朴氏に対する憲法裁判所の判断は厳しいものだった。裁判官8人全員が罷免に賛成している。

 大統領権限を乱用して親友の崔順実被告による私的な利益追求に手を貸したと指摘し、国民の信任への裏切りだと断じた。

 建国以来、初めての大統領罷免である。憲法裁の決定で朴氏は即時失職した。韓国初の女性大統領として任期を全うすることができなかった。現行憲法下で5年の任期を終えられなかったのも今回が初めてになる。

 朴氏自身が招いた結果だ。憲法裁は、朴氏が国政介入の事実の徹底的な隠蔽(いんぺい)を図り、捜査に協力しなかったと批判した。「憲法を守る意志がなかった」とも述べている。機密資料の提供など数々の疑惑を巡り、混乱を長引かせてきた朴氏の責任は重い。

 疑惑の捜査が続いている。特別法に基づく特別検察官のチームはサムスングループの経営トップを贈賄容疑で逮捕、起訴状に朴氏の関与を明記した。朴氏を崔被告と共謀してサムスングループから多額の賄賂を受け取った「収賄容疑者」と認定してもいる。

 憲法の規定で大統領は内乱罪などを除き、起訴されない。朴氏はこの特権を失った。特別検察官のチームから引き継いだソウル中央地検による捜査が今後、本格化する。朴氏は自らの言葉で事実関係を明らかにすべきだ。

 罷免を巡り、賛成派と朴氏支持派がそれぞれ集会やデモを開くなど、事件は韓国社会に深刻な分断を生んだ。罷免が決まった際も裁判所の周辺では賛成派が歓喜の声を上げる一方、朴氏支持派と機動隊の衝突が起きている。

 出直し大統領選は60日以内に行われる。5月9日投開票が有力視され、革新系の最大野党「共に民主党」の前代表らの立候補が見込まれている。朴氏の職務停止で韓国の政治は停滞してきた。国民の亀裂を修復し、国政を立て直す機会になってほしい。

 日本にとっては、弾道ミサイル発射など挑発行為を重ねる北朝鮮への対応をはじめ、連携を強めていかなくてはならない重要な隣国だ。疑惑の解明、大統領選の動向を注視していきたい。

 ◇訂正 8日付「防災ヘリ墜落」で「岐阜県警のヘリ」は「岐阜県の防災ヘリ」でした。

(3月12日)

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