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ムクドリ攻防 一進一退 県内の市街地

南部小学校周辺の上空をうねるように旋回するおびただしい数のムクドリ=9日午後6時前、長野市南部小学校周辺の上空をうねるように旋回するおびただしい数のムクドリ=9日午後6時前、長野市
 県内で市街地にムクドリの大群が飛来し、各自治体が頭を悩ませている。長野市は天敵の鳴き声の音を流したり、ロケット花火を上げたりしているが、ムクドリは移動を繰り返し、効果は限定的だ。松本市や上田市でも猟銃で駆逐したり防鳥ネットを張ったりと対策を施すが、抜本的な解決には遠く、騒音やふん害が続いている。

 9日夕、長野市鶴賀の南部小学校付近の上空。約2万5千羽(市環境政策課)のムクドリの大群がうねるように旋回した。周辺にはピチャピチャと路上にふんが落ちる音が響き、傘を差して歩く人の姿もあった。

 対策を市に提案した信州大名誉教授の中村浩志さん(鳥類生態学)はこの日、事前に同小敷地のヒマラヤスギの一部にムクドリの天敵のオオタカやフクロウの剥製計4体を設置。スピーカーでこれらの鳴き声を流し、市職員ら約30人が見守った。群れは警戒したのか、周囲を飛び回ったり、近くの電線に止まったりしていたが、日没後、しばらくすると一斉にヒマラヤスギに止まった。ロケット花火や爆竹で撃退を試みると群れは一時的に散ったが、また舞い戻る姿が見られた。

 市や同校によると、同校には2月上旬に長野駅東口で爆竹で追い払ったムクドリが移動してきた。中村さんによると、ムクドリは集団でねぐらをつくる習性があり、日中は農耕地などで過ごし、夜になると、天敵がおらず建物が風よけになる市街地に集まってくるという。

 市公園緑地課は2004年ごろ、ムクドリが長野大通り一帯の街路樹や電線をねぐらにしていることを確認。毎夏に街路樹を剪定(せんてい)している。景観を損なうことにもなり「心苦しいのが本音」だが、これまでに篠ノ井、川中島などでも剪定や伐採を行ってきた。

 松本市の松本駅前では、例年夏ごろの夕方、ムクドリの大群が襲来。猟友会の協力で昼間、市内全域の田園地帯や山林で有害鳥獣として駆除を10年以上続け、昨年度は1千羽ほどを駆除した。数万単位の群れからするとごくわずかだが、市耕地林務課は「徐々に個体数は減っている印象。地道に続けていく」とする。

 上田市では5年ほど前から夏はムクドリ、冬はハクセキレイが上田駅前お城口広場のケヤキをねぐらにするように。ふん害を防ごうと剪定を続けていたが、昨年1月、初めて防鳥効果があるという白いネットで木を覆った。市公園緑地課は「見栄えに賛否があり、今後も続けるかは効果次第」としている。

 9日の撃退作戦に参加した長野市職員や住民に対し、中村さんは万単位の大群になると「住民の手に負えない」と指摘。「早め早めの威嚇を根気よく続け、危険な場所だと学習させていくしかない」と話している。

(3月14日)

長野県のニュース(3月14日)