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森友学園問題 国民の怒り、受け止めよ

 政府の説明に国民は納得していないことが、あらためてはっきりした。

 森友学園問題についての共同通信社の全国電話世論調査で、国有地払い下げの経緯に対し政府が十分に説明していると思うとの回答は5・2%しかなかった。「思わない」は87・6%にのぼる。

 当然の数字だろう。政府の説明は胸に落ちないことが多すぎる。国民は怒っている。

 評価額9億5600万円の国有地が森友学園に小学校の用地として1億3400万円で売却された。なぜ値引きしたのか国会で質問された国交省は、地中のごみの撤去費用8億円余りを差し引いたと説明した。

 そこで問題になるのは値引き額が適切だったかどうかだ。担当の大阪航空局にはごみ撤去費用の算定をした経験がなかったことを国交省は認めている。

 ならば第三者の専門家に算定を委託すべきではなかったかと追及されると、開校時期が迫っていたので迅速に結果を出すため局内で見積もりした、という意味のことを答えた。特別扱いした理由について納得のいく説明はない。

 財務省の担当者は木で鼻をくくったような答弁に終始している。政治家の働き掛けの有無について「なかったので記録もない」。森友学園側に土地評価額など資料を提示したのではないかとの質問には「われわれがそういうことをすることはない」。

 安倍晋三首相も昭恵夫人の関与を問われて「妻は私人。犯罪者扱いは極めて不愉快」と感情的に反発するだけだ。国民の疑念に向き合う姿勢から遠い。

 森友学園の籠池泰典理事長は先週、開設準備を進めていた小学校の設置認可申請を取り下げた。理事長辞任も表明している。

 だからといって追及の手を緩めるわけにはいかない。政治家、国に働きかけ国有地を破格の価格で取得した疑惑は重大だ。状況によっては刑事事件に発展し得る。

 学園は校舎建設で金額が異なる3通りの工事請負契約書を大阪府などに提出していた。補助金詐欺の疑いも否定できない。

 共同通信の世調では74・6%が籠池理事長の国会招致に賛成している。理事長に加え、払い下げ当時の国交省、財務省の担当者も呼んで事情を聴く必要がある。

 世調の内閣支持率は55・7%だった。約1カ月前の前回調査より6・0ポイント下がった。国民が厳しい目を向けていることを、政府、与党は肝に銘じるべきだ。

(3月14日)

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