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許可区域外で低空飛行 県防災ヘリ墜落 松本署、経緯捜査

 県消防防災ヘリコプターの墜落事故で、県消防防災航空隊が訓練時の低空飛行に必要な国の許可を得ていたのは高ボッチ高原(塩尻市、岡谷市境)や前鉢伏山(松本市)周辺の3カ所だけで、機体が接触したとみられる前鉢伏山の東側の尾根付近は含まれていなかったことが13日、関係者への取材で分かった。ヘリは低空で飛行し尾根の林に接触したとみられており、松本署の捜査本部は、許可区域外で低空飛行となった経緯を調べる一方、過去の訓練で同様の飛行が行われていなかったかを確認している。

 国土交通省によると、ヘリが山間部を飛行する際、航空法などに基づき、地表から150メートルの最低安全高度の確保が必要。訓練の場合、国交相の許可があれば同高度以下の飛行が可能だが、訓練場所への移動など低空で飛ぶ必然性がない場合は同高度の順守が求められる。関係者によると、同航空隊が低空飛行の許可を得ていたのは、同高原の臨時ヘリポートと、前鉢伏山の山頂、西側斜面の計3カ所だった=地図。

 機体が接触したとみられる尾根は、前鉢伏山の山頂から東側に直線で約500メートル、西側斜面から北東に直線で約600メートルそれぞれ離れている。飛行計画によると、ヘリは松本空港を離陸後、同高原の臨時ヘリポートに着陸して隊員1人を降ろした後、前鉢伏山西側斜面と同高原で要救助者役を引き上げる訓練を行う予定だった。事故では搭乗した9人全員が機内で発見されており、事故は訓練前に起きたとみられている。

 一方、県危機管理部は13日、記録がある2011年4月以降、県消防防災ヘリに9人を乗せて訓練のため飛行したのは今回を含めて3回で、前鉢伏山付近の飛行は今回だけだったと明らかにした。3回とも、事故で死亡したパイロット岩田正滋さん(56)が操縦していた。10人以上の搭乗記録はないという。

 同課はまた、墜落時のヘリの総重量は4862キロだったと説明した。制限されている同機の最大重量は5398キロ。県の内規は安全性を高めるため、総重量は最大重量の95%(5128キロ)以内と規定しており、同課は「規定上、問題はなかった」との認識を示した。

(3月14日)

長野県のニュース(3月14日)