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DeNA 利益優先の付けは重い

 IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)の情報まとめサイト問題で第三者委員会の報告書が公表された。収益性を優先、正確性を後回しにしたとし、企業体質を批判している。

 情報を扱う企業としての責任感や自覚の欠如にあきれる。信用回復は簡単でないだろう。

 運営する10の情報サイトで無断転用や記事の誤りが指摘された問題だ。健康やファッション、旅行などを扱っていた。全てのサイトが休止に追い込まれている。

 昨年12月に設置された弁護士らの第三者委は、無作為に抽出した記事の調査や関係者約100人への聞き取りなどを行った。

 報告書によると、記事約2万本と画像74万7千件余に盗用など著作権侵害の疑いがある。メーカーが認めていない薬の効能に言及するなど、医薬関係の法令違反が疑われる記事も10本あった。

 サイトは情報発信の場を与えているだけで、記事に問題があっても責任は投稿者にある―。そう言い逃れできると高をくくっていたのではないか。

 外部のライターに他のサイトからの無断転用を推奨するようなマニュアルを作成していたことも認定している。参考にした記事の特定を難しくする形での利用法を指南していた。悪質である。

 問題が起きた原因として第三者委は▽記事の数に比べて編集担当者の数が少なく、内容の適切な確認が困難だったこと▽チェックが編集担当者の裁量に委ねられ、正確性を担保する体制がなかったこと―などを挙げた。

 そもそも正確な記事を掲載しようという意識がどこまであったのか。「肩こりの原因は幽霊?」との記事は、「霊」と関連付ければ閲覧数を伸ばせると考えた担当者が外部のライターに書かせた。閲覧者が多いほど広告収入が増える仕組みだからだ。

 主力のゲーム事業が頭打ちになる中、第2の柱として力を入れた事業だった。再開のめどは立っていない。南場智子会長は記者会見で「収益の柱にはなり得ない」と述べている。利益優先で展開した付けは重い。

 不正確さなどの問題は他の企業のサイトでも見つかり、公開停止が相次いだ。知りたいことを簡単に調べられる便利さの半面、玉石混交の情報が飛び交うネットの実情を改めて痛感する。

 正確な情報発信には相応の手間暇、コストがかかる。今回、目を向けさせられた点だ。ネットの利用に当たり、肝に銘じたい。

(3月15日)

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