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稲田防衛相 重責を担っていけるのか

 重責を担うにふさわしいか疑問が募る。稲田朋美防衛相が大阪市の学校法人、森友学園を巡り、誤った答弁の釈明に追われた。

 学園の理事長退任の意向を表明した籠池泰典氏らとの関わりについての答弁だ。13日の参院予算委員会で「事件を受任し顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と断言していた。

 「籠池氏夫妻が『法律相談をしていただいた』と言うのは、全くの虚偽だ」とも強調し、弁護士である夫の顧問契約については「夫は私人だ」と答弁を拒んだ。

 実際は、学園が起こした民事訴訟の第1回口頭弁論に原告側代理人弁護士として出廷していた。裁判所作成の記録があったことから一転、答弁の撤回と謝罪に追い込まれている。

 事実と異なる答弁だったにもかかわらず、稲田氏は「虚偽」とは認めない。「記憶に基づいた答弁で、虚偽との認識はない」としている。「記憶になかった」で許されるなら、国会でいくらでも事実を偽ることができる。

 大阪府豊中市の国有地が格安で学園に売却された。不当な働き掛けがなかったか、籠池氏と政治家の関わりが問われている。重要な点について事実関係を確かめずに答弁した。閣僚として言葉の重みをどう考えているのか。

 野党が「虚偽答弁」と批判するのは当然だ。安倍晋三首相は衆院本会議で「今後とも誠実に職務に当たってもらいたい」と擁護したものの、与党の公明党からも「慎重に答弁すべきだった」と苦言を呈されている。

 防衛相として資質を疑わせる場面は、これまでもあった。廃棄済みとしていた南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報が見つかった際、稲田氏への報告は1カ月ほど遅れた。戦後、衆参両院が排除、失効を決議した教育勅語を是認する発言もしている。

 籠池氏との関係については、言い分の食い違いがなお残る。

 稲田氏が「10年ほど会っていない」とするのに対し、籠池氏はインターネットで公開されたインタビュー動画で「2年か1年前に自民党の会館で会った」と述べている。当時、自民党政調会長だった稲田氏と「たくさんの人の前で直接話した」とする。

 学園が小学校設置の認可申請を取り下げ、財務省は土地の返還を求めている。払い下げがなくなるからといって、うやむやにできない。籠池氏を国会に招致し、事実関係を明らかにする必要がある。

(3月16日)

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