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3団体の返済・給与に流用 県食品健保使途不明金

資金不正流用について陳謝する県食品健保組合の大久保理事長(右から4人目)ら=17日午後4時1分、松本市資金不正流用について陳謝する県食品健保組合の大久保理事長(右から4人目)ら=17日午後4時1分、松本市
 食品卸など県内の食品関連事業所69社が加入する県食品健康保険組合(松本市)で多額の使途不明金が判明した問題で、組合の大久保佐俊(さとし)理事長(76)らは17日午後、松本市内で記者会見した。不明金は、健保組合と同じ場所に事務所がある3団体の借金返済や給与などの支払いに流用されていたとし、総額は10年余で約3億5400万円に上ると正式に発表。構成事業所の多くが重なる県食品厚生年金基金(同)での同様の流用額は約3300万円とした。

 会見によると、流用はいずれも健保組合と厚年基金の常務理事を兼ねていた男性(71)=2月15日付で解任=が関与。厚生労働省関東信越厚生局(さいたま市)の2016年9〜12月の実地監査で不正経理が発覚した。元常務理事は3月13日に死亡しており、刑事告訴はしない。大久保理事長は「遺族から死因は脳梗塞と聞いている」とした。

 健保組合などは1月から公認会計士や弁護士の協力で事実関係を調査。元常務理事は健保組合と厚年基金の職員給与を水増し請求するなどし、事務所が同じで、元常務理事が専務理事を務めるビル管理業務の「県福祉事業協同組合」の簿外口座に資金をプールしていたと分かった。

 確認できた2006年4月〜16年11月に、簿外口座から事業協同組合に約2億9600万円を流入させて流用。元常務理事が代表理事を務める社会保険手続き代行業務の「松本保障保険事務所」には約8千万円を流入させ、約1100万円は財務状況が厳しかった厚年基金で給与などに充てた。

 協同組合は1978(昭和53)年ごろ、松本市内にマンションを建設。元常務理事は「協同組合に個人的に貸し付けていた」として2億円程度を流用資金から受け取ったと説明したという。ただ、一部の書類は廃棄されており、調査に協力する公認会計士は「(説明の)完全な裏付けは取れていない」とした。

 元常務理事について、大久保理事長は「個人的な流用はなかった」としつつ、遺族に損害賠償請求を検討するとした。問題への対応ができた時点で理事長を退任する意向も示した。公認会計士は、判明した以外の不正流用の可能性について「再調査する必要性がある」と述べた。

 健保組合と厚年基金は松本地方や飯田市の事業所が加入している。

(3月18日)

長野県のニュース(3月18日)