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県立高校再編 丁寧な議論欠かせない

 中学校を卒業する子どもが今後も大幅に減ることを考えれば、県立高校の再編は避けられない課題である。だからといって性急に事を進めてはならない。地域住民らの納得と合意を得る丁寧な議論が欠かせない。

 県教委が、第2期の高校再編の考え方を示す「学びの改革 基本構想」をまとめた。立地に応じて「都市部存立校」と「中山間地存立校」に区分けし、異なる再編基準を設けている。

 それぞれ、在校生の数が基準以下になった場合に再編対象とし、統合や分校化、募集停止を検討する。ただし、近隣校から著しく遠いといった事情がある中山間地校は「特定校」として、基準以下でも単独で存続する方法を探る。

 県内の中学卒業生は1990年以降、急減している。昨春のおよそ2万1千人が2030年には1万6千人余まで減り、ピーク時の半分以下になる見通しだ。

 県の厳しい財政状況も背景に、2000年代から県立高校の再編論議は本格化した。第1期では89校から79校に再編している。

 順調に進んだわけではない。県教委が異論を押し切って手続きを急いだことが強い反発を招き、再編計画は迷走した。当初の実施計画14件のうち7件が凍結され、仕切り直しを余儀なくされた。

 今回、県教委の進め方に慎重さがうかがえるのは、その苦い教訓を踏まえたのだろう。基本構想の案を示した昨秋以降、県民から意見を募り、県内4地区で高校生との意見交換会も開いてきた。

 今後も、旧12通学区ごとに地域懇談会を行った上で、10月に実施方針案を示すという。18年度から具体的な検討を進め、意見がまとまった地域から個別の再編計画の策定に入る。

 何より大事なのは、日程を優先して結論ありきで進めないことだ。再編は学校が歴史を閉じることにつながる。合意に時間がかかるのは当然である。学校を支えてきた住民の思いを尊重し、卒業生ら、広く関係者と誠実に話し合いを重ねる必要がある。

 中山間地校に区分けされた高校の衰退が進まないかも心配だ。もともと町村の組合立として設立され、地域の核になってきたところが少なくない。画一的な基準によらず、各校が担う役割を見極めて今後のあり方を探りたい。

 また、議論の経過は徹底して公開すべきだ。第1期のときには、県教委の定例会などを非公開にしたことが不信を高めた。その反省を県教委は肝に銘じてほしい。

(4月1日)

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