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墜落機回収 めど立たず 県防災ヘリ事故

松本市の山中に残されたままの機体=3月7日(本社チャーターヘリから)松本市の山中に残されたままの機体=3月7日(本社チャーターヘリから)
 9人が死亡した県消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故で、松本市入山辺の山中に残されたままの機体の回収のめどが立っていない。積雪に阻まれ、作業の安全確保が当面難しいためだ。数千万円に上るとみられる費用の確保も今後課題となる。国土交通省運輸安全委員会などは回収後に機体の詳細な分析を予定しており、回収が手間取れば、「1年半程度かかる」(同委員会)とされる同委員会の調査や、松本署の捜査本部の捜査に影響を与える可能性がある。

 同委員会によると、機体は全長17・1メートル。胴体はあおむけの状態で、胴体とのつなぎ目で折れた後部のテールブームは胴体の下敷きになっている。墜落時のヘリの総重量は4862キロ。事故当時、周辺には捜査員が踏み込むと膝から腰まで埋もれるほどの積雪があり、機体に残る燃料への引火の恐れもあったことから、捜査本部は現場検証後、周囲に散乱した部品の一部を回収し、機体そのものはビニールシートで覆って保存した。

 事故から1カ月、現場周辺はたびたび降雪に見舞われ、現在は機体を覆ったシートの上にも雪が積もっている状態。回収はヘリ所有者の県が担うが、県消防課は「現場の雪が安定し、近づいて作業ができるようにならないと難しい」とする。

 自治体の防災ヘリの墜落事故は近年、2009年9月に岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で、10年7月に埼玉県秩父市の山中でそれぞれ発生。両県は機体回収を民間の業者に委託したが、作業開始はそれぞれ約1カ月、約1カ月半後だった。ともに機体をヘリでつり上げて降ろしたが、回収までに岐阜で数日、埼玉で約1週間かかったという。

 長野県は現在、回収計画を立案中だが、岐阜、埼玉のケースとは異なり、積雪が着手時期の見通しを立てにくくしている。費用は岐阜が2千万円ほど、埼玉が2300万円ほどかかったといい、県は回収計画を立案後に、具体的な予算措置の検討に入る。

 捜査関係者は「大事な証拠品。劣化を防ぐためにも早い回収が必要だ」と指摘する。検証のための保管場所の確保も課題となる。運輸安全委員会は、ヘリのメーカーがある米国と、エンジンメーカーがあるカナダの協力を得て機体の詳細調査をする方針を示している。

(4月7日)

長野県のニュース(4月7日)