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自閉症者 見える世界は 諏訪 23日に体験会

 自閉症者ら特有のものの見え方を疑似体験しようと、シミュレーター装置を使った視覚体験会が23日、諏訪市総合福祉センター「湯小路いきいき元気館」で開かれる。大阪大と東京大の研究グループが2年前に開発した装置。障害者の療育に取り組む一般社団法人「ワクワク・プロジェクト・ジャパン」(塩尻市)代表理事で言語聴覚士の原哲也さん(50)が「自閉症者が見ている世界を共有し、より良い支援につなげたい」と参加を呼び掛けている。

 原さんによると、自閉症者は知覚が敏感で、明暗が強調されて見えることがある。電車などの速い動きは不鮮明で、視野にノイズが交じってざらついたり、きらめきが見えたりもする。これらがストレスとなり、人混みでパニックになったり、急に大声を上げたりするなどの不安定な行動につながるという。

 20年ほど前から県内で自閉症などの子どもを支援してきた原さんは、そうした子の親自身が、わが子が何におびえて多動になったり、突然耳をふさいで騒いだりするのか分からず、苦悩する姿に接してきた。「どんな世界が見えているのかを知ることができたら…」。そう考えていた時、研究グループの装置開発を知ったという。

 研究グループは、自閉症者ら22人に聞き取った情報を解析。2015年3月、ゴーグルのように頭部に装着して使う視覚体験シミュレーターを完成させた。風景のコントラストが強調されたり砂嵐状のノイズなどが現れたりする症状を疑似体験できる。

 研究グループによると、近年、自閉症はコミュニケーション能力の問題ではなく、感覚機能や運動機能に原因があるとの研究結果が報告されている。体験会に参加する予定という、グループメンバーで大阪大大学院工学研究科の長井志江(ゆきえ)特任准教授(42)=ロボット工学=は「研究が多くの人が自閉症を正しく理解する一助になればうれしい」と話している。

 体験会は午後1〜5時。長井さんの講演もある。参加費3500円。申し込みは名前、住所、連絡先などを明記し、電子メール(green@snow.email.ne.jp)で。

(4月13日)

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