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木祖村、空き古民家を購入し村営住宅に改修

村営住宅として改修された古民家の外観村営住宅として改修された古民家の外観 改修した住宅の内部改修した住宅の内部
 木曽郡木祖村が、同村吉田地区にある築130年余の空き古民家を所有者から購入し、村営住宅として改修した。県内自治体が古民家を移住体験施設などに改修する例はあるが、公営住宅として提供するのは珍しい。古くからある建物を村ならではの財産と位置付け、子育て世帯に貸すことで山里の魅力も発信しようという取り組みだ。

 全国で古民家再生を数多く手掛ける安曇野市の建築家降幡広信さん(88)は「古民家を再生して市町村営の住宅にする例は聞いたことがない。地域らしさを守る、意義のある取り組み」としている。

 建物は平屋で、延べ床面積178平方メートル。20畳の居間と10畳の和室2部屋のほか、四つの部屋や物置がある。1879(明治12)年に建てられ、梁(はり)や柱などの構造はそのまま生かし、壁や床などには断熱材を入れ、県産材で張り替えた。耐震改修も施している。敷地は875平方メートル。土地家屋の購入費、改修費に計4400万円をかけた。

 吉田地区は村の最も南に位置し、村役場や木祖小などがある薮原地区までは約3キロある。36世帯が暮らすが小学生のいる家は1軒だけで、消防団員もいないという。

 吉田地区の要請もあり、村は若者対策として村営住宅の建設を検討。手ごろな土地がなく造成が必要だと分かった。一方で、10年ほど前から空き家になっていた今回の物件の所有者からは「いずれ取り壊したい」との話を聞いていた。違い棚のある床の間や欄間の細工も見事で、「このままつぶしてしまうのはもったいない」(唐沢一寛村長)と再生を決めたという。

 入居を想定しているのは、小さな子どもがおり、地域活動に積極的に参加できる家族。「古い家の価値や地域付き合いの大切さが分かる人に暮らしてもらいたい」と唐沢村長。村やこの家に住みたい理由などを聞いた上で、貸す相手を決める。家賃は未定だが、「それほど高くしないつもり」(総務課)という。

 22日に村民にお披露目するほか、5月14日に村外者向けの見学会を予定(午前10時〜正午、午後1〜3時)。6月から入居者の募集を始める。これ以外の日に見学したい場合も相談に応じる。問い合わせは村総務課(電話0264・36・2001)へ。

(4月20日)

長野県のニュース(4月20日)