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「ソルガム」小麦の代替食料へ 信大が新プロジェクト

ソルガムの実ソルガムの実
 信州大工学部(長野市)は20日、県や長野市、金融機関などと連携し、イネ科の穀物「ソルガム」がアレルギー原因物質を含まないことに着目し、小麦粉に代わる食料開発を目指して研究するプロジェクト組織を創設すると明らかにした。子どもの食事などでのニーズを想定する。食料としての消費先を確保することで、耕作放棄地を活用した生産に弾みを付ける狙いもある。

 この日、信大工学部で開いた記者会見で、プロジェクト会長に就く同学部の白川達夫特任顧問は「小麦粉と同等の食感やおいしさを作ることが使命になる」と述べた。

 ソルガムはポリフェノールを豊富に含む機能性食品であるほか、小麦粉に含まれる「グルテン」を含まず、アレルギー対策としても有効とされる。乾燥に強く、栽培に比較的手間がかからないため、信大はこれまで、耕作放棄地での栽培や活用を長野市と共同研究してきた。

 創設するのは「信州ソルガム高度活用研究プロジェクト」。信大が農業の生産性や付加価値を高めようと2013年に創設した県内の産学官連携組織「食・農産業の先端学際研究会」の中に設置する。研究会には県や農業団体など125団体が参加。八十二銀行(長野市)や給食受託サービスのミールケア(同)なども参加した「産学官金」16団体による運営委員会を設け、横断的に研究を進める。

 運営委員の一人で、市との共同研究を担ってきた天野良彦・信大工学部教授によると、ソルガムは粘り気のもとになるグルテンを含まず無味無臭のため、味や硬さに課題がある。小麦粉と同様に使うには、デンプンとの混合や、粉を細かくする技術が求められるといい、プロジェクトでは品種と加工の両面で活用法を研究する。

 ソルガムを巡っては、13年から天野教授らが長野市と共同研究を始め、中山間地の長野市七二会地区の耕作放棄地で栽培。実は食品に、茎や葉はキノコ培地のほかメタン発酵してバイオマス発電として利用する研究を進めている。

 天野教授によると、栽培や流通の面では民間が取り組む態勢が整いつつあるとし、普及に向けて「供給する出口(消費先)」の確保が課題となっている。昨年は、市南部でソルガムを使った学校給食を試験的に提供した。

(4月21日)

長野県のニュース(4月21日)