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諏訪湖周の「鋼矢板」、流入地下水への影響は 県が調査へ

地中に鋼矢板が打ち込まれている諏訪湖岸=28日、岡谷市湊地中に鋼矢板が打ち込まれている諏訪湖岸=28日、岡谷市湊
 県諏訪建設事務所は5月、諏訪湖岸を補強するため、ほぼ全周にわたって地中に打ち込んである金属壁「鋼矢板(こうやいた)」が、湖への地下水流入に影響しているかどうか調査を始める。諏訪湖では、鋼矢板の打ち込み後に湖底からの水の噴出がなくなったとの漁師の証言がある。諏訪湖で昨年夏にワカサギが大量死したのを受け、県は湖水の観測態勢を強化しており、調査はその一環。

 同建設事務所は1967(昭和42)年から90年ごろにかけ、諏訪湖周約16キロのうち、計約14キロにわたって鋼矢板を垂直に打ち込んだ=地図。諏訪湖を二重に取り囲み、埋め立てて造った湖岸を補強している。諏訪湖は最深6〜7メートルほどで、鋼矢板はこれより深い地中約13メートルに達している。

 諏訪湖で漁をしている諏訪市豊田の藤森重利さん(59)によると、鋼矢板が打ち込まれて以降、諏訪湖ではガスが噴き出す湖底のくぼ地で、コイの漁場の「釜穴」が減った。岡谷市湊沖には、水の勢いで真上の湖面が盛り上がるほどの釜穴もあったとされるが、現在は見られないという。

 藤森さんは「湊は南アルプスの北端部にあり、地下水が豊富。鋼矢板を深く打ったので、山からの水が諏訪湖に入らなくなったと思う」とする。地下水の流入が減ったことと、湖水の貧酸素状態の間に何らかの関係があるとの見方もある。

 同建設事務所は5月以降、山から湖への地下水の流れがあるとみられる岡谷市湊の湖岸近くの2地点でボーリング調査を実施。それぞれ鋼矢板を挟んで計3カ所を地下約15〜19メートルまで掘り、流れ方を調べる=図。1年ほど観測を続ける。

 同建設事務所は、地下水の流れが把握できても、地盤が緩い諏訪湖周辺の鋼矢板を撤去するのは難しいとした上で、「現状を把握し、湖水の環境改善のための対策を検討したい」としている。

(4月29日)

長野県のニュース(4月29日)