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「今の学校現場はどうかしてる。これで子どもとしっかり向き合えるのか」。がり版で教材を刷った時代の教員OBの嘆きだ。教頭の息子はいつも夜明け前に出て帰宅は深夜。いくら多忙な仕事でも自分の経験に照らすと異様に映った

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学校基本調査をはじめ問い合わせの数々、保護者や地域への対応、会議…。窓口の職務は切りがない。担任も同じだ。勤務時間は1日7時間45分だが「どだい無理な決まり」とある先生に一蹴された。給食も指導に時間を取られ食べる余裕がないという

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きのうのメーデーは長時間労働の是正が重点テーマになっている。長野市の会場には「部活指導に正当な手当を」との要求も見られた。かつては「聖職か労働者か」と論争になった。地域では教養人として一目置かれ、子どもには絶対的存在として聖職の色が濃い時代でもあった

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子どもの家庭環境が多様化し保護者の希望も複雑になった―。これも現場からよく聞く話だ。残業に加え自宅への持ち帰りも多い。夏休みがあっても自主研修日はほとんど取れない。やりがいや充実感が薄れ、多忙感と徒労感が覆う現場となれば深刻だ

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文部科学省が先週発表した実態調査では全体に勤務時間が増え、多くは「過労死ライン」とされる週20時間の時間外労働を上回った。それでも手当支給がないのでは人材確保も難しかろう。この結果を子どもと向き合える環境改善に生かさねば。また“迷惑な調査”で終わらせてはなるまい。

(5月2日)

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