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防護服など購入方針 軽井沢町民に理解と違和感

 北佐久郡軽井沢町が、北朝鮮の弾道ミサイル発射などを念頭に、有毒ガスに備えるため町職員用に防護服など30セットを購入する方針を示したことに2日、町民らに波紋が広がった。万一の備えとして理解を示した人がいる一方、必要性を疑問視したり、町の想定に違和感を覚えたりする声もあった。

 町は、生物、化学兵器を搭載したミサイルが着弾し、自衛隊や消防が活動する区域外で、町職員が避難誘導などする際の着用を想定している。国民保護のために市町村が防護服などを備える方針について、内閣官房は「ほかに把握していない」とした。

 主婦佐藤鶴代さん(65)は軽井沢に移住する前、千葉県で防災ボランティアや女性消防団の活動経験がある。「消防の備品だったら分かるが、町職員の活用を想定して十分役立つのか」と疑問視。地震や浅間山の噴火災害などの対策を重視してほしいとし、「もっと議論を」と注文した。

 町議会傍聴に長年訪れている中山幸夫さん(70)も「ミサイル着弾を前提に話を進めていくことに違和感がある」とし、庁内や議会で議論すべきとした。

 「備えあれば憂いなしの考えがあってもいい」と受け止めたのは町内の病院に家族を見舞った女性(80)。「平和な町でこんなに心配しなくちゃいけない時代になったかと思う」。備えることは悪いことではない―と受け止めたのは、町南部に別荘がある東京都の男性会社役員(68)。ただ、「米軍基地がなく、自衛隊がいるわけでもない。軽井沢はターゲットにならないのでは…」とも話した。

 長野県危機管理部によると、県はミサイル対策の防護服などは用意していない。一部消防には防護服があるとみられるが、テロ対策という理由で「県内のどの消防が所持しているかは明らかにできない」(総務省消防庁)という。県警も防護服などの有無について、具体的なコメントはしないとしたが、「テロなどに備えたしかるべき準備はしている」(警備2課)とした。

 一方、県境一帯にある碓氷峠の旧信越線トンネルを有事の避難場所として活用することについて、4月下旬に軽井沢町から打診を受けた群馬県安中市は取材に、安全面なども見る必要があるとし、「使えるかどうかを含めて今後検討していく」としている。

(5月3日)

長野県のニュース(5月3日)