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ごみ連続最小 乾いたタオルを絞ろう

 長野県民が出したごみ(一般廃棄物)の量が2015年度、1人1日当たりで全国最少となった。2年続けての1位である。

 地域ぐるみの資源ごみ回収など地道な努力の成果である。取り組みをさらに重ね、ごみ削減先進県の評価を確立したい。

 都道府県別で長野は10年ほど前から順位を上げ、14年度に沖縄を抜いて1位になった。今回の15年度も2位は沖縄である。

 15年度、長野は836グラムで沖縄は841グラム。差は5グラムしかない。1位を守るには乾いたタオルを絞るような努力が要る。

 今後に向けての課題を三つ挙げたい。第一は都市部での取り組みの強化だ。

 長野県の特徴は農村部での排出量が少ないことだ。人口10万人未満市町村の中での全国順位を見ると、3位南牧村、4位川上村、5位中川村、6位平谷村、7位泰阜村、10位豊丘村―と、県内の村が並んでいる。家庭ごみの自家処理が多い地域である。

 これに対し人口10~50万人では県内からのトップ10入りはない。人口50万人以上を含め、上位を占めるのは東京、神奈川など都市部の自治体である。どんな工夫をしているか情報を集めれば、生かせることは多いだろう。

 課題の第二はごみの3割を占める事業系の削減だ。オフィスの紙ごみ、社員食堂の残飯など事業活動に付随して出るごみである。生産活動そのものから発生する産業廃棄物と区別される。

 家庭から出る生活系のごみが着実に減っているのに対し、事業系はあまり変わらない。企業への働き掛け強化が必要だ。

 名古屋市では事業系の収集、処理を有料化した上に、資源として再利用できる古紙や瓶の清掃工場への搬入を禁止して減量につなげた。参考になる。

 第三は観光地での削減である。県内には大勢の観光客を迎える自治体が少なくない。1人当たりのごみの量は人口で割って計算するので不利になる。

 県内には「ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)」を目標に先進的な取り組みをしている観光事業者がある。知恵を共有したい。

 環境省の資料によると、全国で年間約4400万トンのごみが排出される。そのうち3100万トンが焼却され900万トンが再生紙などの形で資源化、400万トンが埋め立てなど最終処分に回る。

 焼却も埋め立ても環境にはよくない。ごみ対策の王道は排出を減らすことである。

(5月6日)

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