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岡谷産ウナギ、今夏初出荷へ 会社役員ら養殖挑戦1年

武井さんらが養殖したウナギのかば焼きを夕食で味わう子どもたち=9日武井さんらが養殖したウナギのかば焼きを夕食で味わう子どもたち=9日
 「うなぎのまち」をアピールしている岡谷市で、1年前からニホンウナギの養殖に挑戦してきた建設会社役員の武井茂夫さん(48)らが近く、7月25日の「土用丑(うし)の日」に向けてウナギを初出荷する。県によると、寒冷地の県内ではウナギの養殖は他に例がない。近年、資源量が激減し、絶滅すら心配されるようになったニホンウナギ。消費地として資源保護にも関心を持ってもらおうという試みが一歩を踏み出す。

 昨年3月から、武井さんが経営する会社近くのビニールハウスに大型水槽3基を造り、稚魚約2キロを投入。大きさごとに分けて飼育し、餌の摂取量を増やすために水槽を2基増設するなど、飼育態勢も充実させてきた。その結果、1年余りたって1匹250グラム以上と、出荷に適した大きさに育った。

 ニホンウナギは、国際自然保護連合(IUCN)が2014年に絶滅危惧種に指定。日本政府は稚魚の資源管理に向けた国際合意に基づいて、業者ごとに養殖池に投入する稚魚の量を決めている。武井さんの割り当ては年2・6キロ。今年3月、武井さんは天竜川下流の浜松市から仕入れた稚魚約2キロを新たに投入した。

 9日は出荷用の一部をかば焼きにして、地元の児童養護施設やグループホームの子どもたちに試食してもらった。「軟らかくて、たれもおいしい」などと皆喜び、お代わりする子どももいた。

 武井さんらは今後、市内のうなぎ店などでつくる「うなぎのまち岡谷の会」と出荷先や価格などを検討する。武井さんは「岡谷産ウナギのブランド力を高められるかは手探りだが、出荷してからが勝負」と気を引き締めている。

(5月10日)

長野県のニュース(5月10日)